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2005年9月10日 (土)

カレーライスとライスカレー

いよいよ総選挙も最終日です。マスメディアは「2大政党の対決」と書き立てています。こんななかで自民党から民主党会派に移った田中真紀子氏が先日、こんな演説をしたそうです。

民主 都市部で反攻 応援の“真紀子節”さく裂(読売新聞)

 「(小泉首相は)いい子に育つと思って見てきたんですが……。(郵政民営化で)国民の貴重な財産が外資に持って行かれるかもしれないのに、頭モジャモジャ、頭の中もモジャモジャで何も分かっていない人が意地を張っている」(中略) 「民主党を中心として政界を再編したい。そのためにはまず、政権交代することです。こんなまじめな代表がいるじゃないですか」とまず岡田氏を持ち上げた。その後、「冷たくても『自民党カレーライスが食べたい』という方、もっとおいしい民主党スパゲティがちゃんと出来ている。食べてみて」とまくし立てた。

……ということだそうですが、そうなんでしょうか。民主党は政策で、「郵貯・簡保を徹底的に縮小」「預入限度額をさらに500万円に引き下げ」「8年以内に郵便貯金220兆円を半減」と掲げています。現在、日本郵政公社は独立採算制で、自民党の主張とは違って、税金は1円も投入されていません(詳しくは決算書をご覧ください)が、この政策を実施した場合、郵貯・簡保事業が縮小され、これによって支えられている郵便局ネットワーク体制が維持できなくなってくるでしょう。また、郵貯・簡保の縮小で民間金融市場に流出した資金は、国債の買い支えに回るか、投機によって海外に流出することになるでしょう。真紀子サンが指摘する「国民の貴重な財産が外資に持って行かれるかもしれない」のは、民主党案でも同じなわけです。もともと、民主党も郵政民営化自体には賛成なわけで、いわば「小泉型」でなく「岡田型」ならよい、ということなんですよね。

このブログでも、これまでにもつぶやいてきましたが、郵政民営化だけでなく、いわゆる「サラリーマン増税」や消費税増税も、手順や具体的な額の違いはあっても、実施することには変わりないわけです。憲法問題でも、9条を改定して自衛隊を“認知”する点、条件に若干の違いはありますが、海外で武力行使を可能にする点でも、自民党と民主党は同じ方向に立っています。

これでは、民主党は真紀子サン流の言葉を使えば、「スパゲッティ」どころか、「自民党カレーライス」と中身は同じ「ライスカレー」でしかないと思うのです。

これについては、朝日新聞も、

「小さな政府」競う自民、民主 見えない対立軸で、

 最終盤を迎えた選挙戦で自民、民主の2大政党は、ともに税金の節約や公務員の削減などを掲げ、「小さな政府」を目指す方向で足並みをそろえる。巨額の財政赤字や少子高齢化の前に、政策の選択肢が狭まった現実を踏まえたものだ。

……と、指摘しています。

“同じ方向性を向いて、違いがない”という「朝日」の指摘は同感です。ただ私は、「朝日」がその背景を「政策の選択肢が狭まった現実を踏まえた」としているのは、違うのではないかと思います。「2大政党」だけでなく、「朝日」を含めて、社会保障の費用負担を議論すれば、消費税増税か国民の社会保険料引き上げしか選択肢がないかのように喧伝し、それ以外の選択肢、例えばヨーロッパより低い水準にとどまっている企業負担の引き上げなどという選択肢を頭から排除して、ここに踏み出そうとも、それ以前に、検討しようとすらもしないだけのことに過ぎないと思うのです。

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