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2005年10月

2005年10月25日 (火)

消費税10%なんて冗談じゃない

自民党の研究会が「社会保障の目的税にする」として、消費税の増税に踏み出す中間報告をまとめました。

News@Nifty:「財政再建へ増税路線 自民党」(共同通信)

 自民党の財政改革研究会(会長・与謝野馨政調会長)は24日、消費税を社会保障目的税化し、税収の全額を年金、医療、介護など社会保障費の公費負担分に充てるよう求める中間報告を取りまとめた。国と地方を合わせた公費負担をすべて賄うには、消費税率を10%以上に引き上げる必要があり、財政再建に向け大幅な増税路線を打ち出したものだ。[2005年10月25日 08時10分]

冗談じゃないですねえ。自民党は総選挙の政策「120の約束」のなかで、「消費税を含む税体系の抜本的改革を実現する」とは言っていましたが(まあこれが増税を示唆していることは日ごろの言動を見れば分かるのですが)、消費税10%なんて一言も言っていませんでしたよ! それどころか、直接は消費税の話ではありませんでしたが、政府税調がいわゆる「サラリーマン増税」を示した時に、武部幹事長は「安易な増税は許さない」と叫んだじゃないですか。

それが選挙で「圧勝」したら、途端にこれですか。定率減税の廃止も検討すると財務相が言い出しましたしね。こんなのは公約違反ですよ。千歩譲ったとしても、何で選挙中にこれらのことを言わなかったんですか!

だいたい社会保障の公費負担財源というと、すぐ消費税増税の議論を持ち出しますが、なぜ所得税や法人税(とくに後者)でないのでしょうか。消費税が低所得者ほど負担の重い(これを逆進性といいます)税であることは、各方面で指摘されていますし、このブログでもつぶやいてきましたので、繰り返す必要はないでしょう。社会保障は成り立ちを振り返っても、現在の実態を見ても、所得の低い人たちほど手厚い支援が必要になります(ぶっちゃけた話、所得の高い人は、ある程度は自力で何とかできるわけ――ある程度は、ですが)。

介護保険で利用料が払えないために、導入前は受けられた介護サービスを断念した人が大勢いることや、国会で審議されている障害者「自立支援」法案に重度障害者が反対の声をあげていることなど、少し前のニュース番組でもやってましたし、いちいちあげる必要がないでしょう。そういう社会保障の財源をまかなうために、消費税を増税すれば、とくに所得の低い人たちに大変な負担を強いることになると思うのです。

さらにいえば、消費税の増税は、国内の需要の54%を占める消費需要を締め付け、景気にもマイナスの影響を与えることにもなります。そういった理由から、私は消費税増税で社会保障財源をまかなうことには反対ですし、ましてや10%なんて許せないわけです。

では、法人税の増税には、なぜ踏み出そうとしないのか? これについては東京新聞が面白い指摘をしています。

東京新聞21日付「定率減税縮小なのに… 法人税 減税継続?」

 本年度末で期限が切れる六千八百億円規模の法人税減税の扱いが、二〇〇六年度税制改正の焦点に浮上してきた。継続を求める財界に対し、「役割を終えた」と主張する財務省。来年から所得税などの定率減税半減がすでに決まり、企業だけを優遇するわけにはいかないというのが理由。とはいえ、財界を無視できない事情もある。来週から始まる政府税制調査会の議論を踏まえ、結論は予算編成直前までもつれそうだ。 (経済部・池井戸 聡)

(中略) 財界首脳との会合で沈黙を守った小泉首相は、九月末の国会で「経済効果を見極めて判断する」と述べるにとどめ、方向性は示していない。しかし、悩んでいる様子はうかがえる。
 まずは政治献金への関与を始めた日本経団連の発言力アップだ。自民党への〇四年の企業・団体献金は二十七億円と前年より2・7%増加。今月十一日には政治献金の指針となる自民党への政策評価も引き上げた。
 経団連の奥田会長は経済財政諮問会議のメンバーでもあり、政府の政策決定に大きな影響力を持つ。
 奥田会長の出身母体であるトヨタ自動車は、先の総選挙で自民党を応援。首相には大きな「借り」と映る。

要するに自民党に献金してくれる財界の意向なわけですね。実は社会保障負担を消費税で、というのも、財界がしっかり要望しているんです。毎年多額の献金をしている財界の意向を受けて、こんなことをごり押しされたのでは、全くたまりませんよ。

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2005年10月20日 (木)

イタイ話

ここ最近、私のまわりで「結婚」をめぐる話が続いております。

20年来の友人から、「結婚式の日取りが決まった」ということで、招待状が届きました。先日も書きましたが、その日は幸い、「資本論」講座が延期となったので、めでたく出席できることになりました。よかったよかった、また何かお手伝いでもすっかな………と思っていたら、今度は、ここ数年全く往来のない知人(一時期、ひんぱんな往来もあったんですが)から「結婚するかもしれない」と、久々の便りをもらいました。全く往来のない“ザ・部外者”(何やそれ)である私に「~するかも」ってどっちやねん? と思ったのですが、そんなことはおくびにも出さず、「それはよかったですね」と言っておきました。まあ、ご結婚までにはご本人の体調やら、お相手を取り巻く環境やら、いろいろ考えるべき課題があるとのことで、当事者にとってよい方向で解決されていくといいんですがね。

先日は先日で、以前私が住んでいた地域のお友達(といっても、その大部分の方が私がその地域を離れてからの付き合いなんですが)の飲み会に誘われて行ったんですが、そこでも今度結婚されるカップル(今どきこんな単語使わないか?)が参加してたり(関係ないんですが、女性のお父さんが私の会社のよく知ってる人だったことが分かってビックリ!)、すでに同居してるカップルがいたりして、どうも話題が出そうだな~~とビクビクしていたら、やっぱり「かわうそさんは、そーゆー話ないの?」

えぇ、ありません、全く。一人で相撲は取れません。(笑)

まあ、一見怖いらしいしね、話し下手で話題狭いしね、ガサツだしね、わりとまじめに見られることもたまーーーーにあるらしいけど、妙に理屈っぽいしね(そのくせ通じやすいかどうかは別^^;)、実はやっぱり怖いらしいしね。(わりと気心が通じたかな?と思った相手から怖がられたことも複数回ある)

実のところ、それ以前に、なかなか知り合う機会がないんですが。私の場合、仕事で知り合ったとしても、それを利用すると「職権乱用」といわれかねないし^^;。っていってたら、ある集まりで「機会つくれよ」といわれましたが、そう簡単にいかないっての。

この際、電車内で、酔っ払いにからまれている人を助けて、ティーカップでも贈ってもらうか(笑)(←こーゆーヲタク向けなネタを書いているところがすでにイタイ)

それにしても、冒頭の友人は、式の半月前になろうってのに、手伝いについて何も言ってこないなあ。いらんのかしらん?

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2005年10月17日 (月)

NEWS@nifty:小泉首相、靖国神社を参拝…昇殿・記帳せず(読売新聞)

小泉首相が今日、靖国神社を参拝しました。

NEWS@nifty:小泉首相、靖国神社を参拝…昇殿・記帳せず(読売新聞)

 小泉首相は17日午前、東京・九段北の靖国神社を参拝した。首相は就任以来、年1回の参拝を事実上の公約としており、今回が5回目。内閣の最重要課題である郵政民営化関連法が14日に成立したことを踏まえ、17日からの靖国神社の秋季例大祭に合わせて参拝に踏み切った。
 首相は、本殿には昇らずに拝殿前の参拝にとどめ、記帳もしなかった。国内外の批判などに配慮し、「私的参拝」の色彩を強めたと見られる。
 しかし、靖国参拝中止を求めてきた中国、韓国は強く反発しており、今後の外交日程にも影響が出そうだ。
 グレーの背広姿の小泉首相は午前10時過ぎ、公用車で靖国神社に到着した。同12分ごろ、拝殿の前で一礼した後、さい銭箱にお金を入れ、30秒間ほど手を合わせた後、再び一礼した。献花料や玉ぐし料は出さなかった。
 過去4回の参拝は、モーニングか羽織はかま姿で、本殿に昇って祭壇に一礼していた。「内閣総理大臣 小泉純一郎」と記帳し、私費で献花料も納めていた。
 従来の参拝形式を変更したのは、「公式参拝」との批判をかわす狙いなどがあると見られる。
(中略) 小泉首相は17日昼の政府・与党連絡会議で、「内閣総理大臣・小泉純一郎としてではなく、一国民として心を込めて参拝した。二度と戦争を起こしてはならないという不戦の決意で祈った。今日の日本があるのは、心ならずも戦場で散られた皆さんのお陰だという気持ちだ」と語った。中韓両国との関係に関しては「アジア諸国との関係は未来志向で進めたい」と述べた。

首相の靖国参拝に対して、内外から批判があがっているほか、経済界やアメリカからも懸念の声が出ています。

NEWS@nifty:近隣諸国との関係悪化、経済界に懸念も…首相靖国参拝(読売新聞)

 経済同友会の北城恪太郎代表幹事は「我が国の国益を損なう恐れがあることを認識し、近隣諸国に理解を得るための外交努力が行われることを望みたい」とし、日本商工会議所の山口信夫会頭も「日中、日韓関係は極めて重要なので、外交ルート等を通じて改善に全力を挙げて欲しい」とするコメントを発表した。

NEWS@nifty:参拝に困惑深める米政府(共同通信)

 【ワシントン共同】米政権内には、日本と近隣諸国との関係悪化は米国の利益にならないとの認識が定着しつつあり、日中、日韓関係の一段の冷却化を招く小泉純一郎首相の靖国神社参拝強行に困惑を深めることは必至だ。ヒル国務次官補は先月、「日中、日韓の良好な関係が米国の国益に根本的にかなう」と議会で証言。小泉首相に対し、外交の優先課題として中韓両国との関係改善に取り組むよう促した。[2005年10月17日16時50分]

しかもこの日は、高裁としては初めて参拝について憲法判断した大阪高裁の判決が確定しています。

NEWS@nifty:靖国参拝の「違憲」確定へ(共同通信)

 小泉純一郎首相の靖国神社参拝をめぐる損害賠償請求訴訟で、高裁段階で初めて「参拝は違憲」と判断した9月30日の大阪高裁判決が18日午前零時、台湾先住民らの原告、国側の双方とも上告せず確定。小泉首相の靖国参拝を違憲とする判決の確定は昨年4月の福岡地裁に続き2例目。上告期限は、原告と被告の国、靖国神社は14日だったが、判決文の受け取りが遅れた小泉首相は17日になっていた。[2005年10月17日 16時25分]

首相は参拝のさい、記帳も、昇殿もせず、献花料・玉串料も出さなかったとのことですが、これは内外の批判・懸念を「考慮」したためでしょうか。しかし、問題は昇殿するかしないか、記帳するかしないかではなく、どんな形であれ参拝自体にあると思います。

あの神社の目的は、首相が言った「不戦の決意」を示すことにあるのではなく、日本の戦争を“自存自衛、アジア解放の正しい戦争だった”として、「殉国の英霊を慰霊顕彰する」(遊就館パンフレット)ことにあります。

小泉首相は今年6月の衆議院予算委員会で、「(靖国神社の考え方は)政府と同じものではない」「戦争責任は日本にある」と答えました(この時の一問一答を報じた「しんぶん赤旗」6月3日付)。であれば、やはり日本国を代表する立場の首相が靖国神社に参拝すべきではないと思います。

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2005年10月15日 (土)

寝違えた……

おとといあたりから、首筋が痛くて痛くてたまらなくなり、右や上を向くことがほとんどできなくなってしまったので、昨日、「会社」の近くにある整体院に行ってきました。ここは保険がきかないので値段が張るのですが(10分1000円という世間並みの値段)、ていねいにやってくれるので、時々通っています。

担当してくださる方は毎回違うんですが、この日はいかにも屈強な感じの先生が担当でした(50代後半といったところで、私より2歳ぐらい下の息子さんがいらっしゃるとのこと)。で、1時間半ほど、日ごろから悪い腰痛をやわらげるのと合わせてお願いしたのですが、両腕を前で組ませて、後ろから腕を引っ張ったり(右腕を左から、左腕を右から)、あおむけに寝て首を持ってぐるぐる上下に回されたり、横向きに寝て足を思いきり引っ張られて(文字にするとものすごーく分かりづらいな……)、もう痛くて痛くて、正直、殺されるんじゃないかと思ってしまいました。(もちろん、そんなわけはないんですがね)

でも、終わってみると、痛みや抵抗感はあったんですけど、首が回る角度は、右にも左にも少し広がっていました。上を向くのはかなり大変でしたが。それから一日たって、今日は仕事で西多摩、米軍横田基地のすぐそばに行ったんですが、右を向くのも左を向くのも、痛みがだいぶ取れていました。上を向くときに少し痛みが残っていますが、まあ大丈夫です。いやあ、人間の体も自然法則にしたがって動いているので、どこをどうマッサージすると動きやすくなるのかも、当然法則的なものであるわけなんですが、あんなゴリゴリと痛めつけられた(先生ごめんなさいm(__)m)のに、不思議なもんですねえ。

昨日は、事あるごとに「いやあ、すごい運動不足だね。あんた全然運動してないでしょ」とか「まじめ過ぎて悩み過ぎると、体が抵抗して力を抜けないんだよ」とかいわれました。まじめじゃないので後者のつながりはよく分からないんですが、前者は全く仰せの通りでございます。「スポーツやらないなら、30分から1時間ぐらい、少し重めの荷物を背負って、速歩きをするといい」といわれました。歩くのは運動神経が少々鈍くても問題ないので好きなんですが、長時間歩けばいいというものではないそうです。最近は仕事の帰りに歩く時間を増やしているし、寝る前には股関節をグルグル回しているんですが、これを機にもう少し反省して、もっと歩く時間をつくろうと思いました。

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NEWS@nifty:郵政民営化関連法が成立、賛成134・反対100(読売新聞)

郵政民営化法案が14日の参院本会議で可決・成立しました。2007年10月から、郵政公社は解体され、株式会社に移行することになります。

NEWS@nifty:郵政民営化関連法が成立、賛成134・反対100(読売新聞)

 小泉首相が改革の本丸と位置づける郵政民営化関連6法が14日午後の参院本会議で自民、公明の与党の賛成多数で可決、成立した。
 通常国会で同法案に反対・棄権した自民党議員の大半が賛成に回り、通常国会では17票差で否決されたのが、今国会では34票差での可決となった。
 (中略)参院本会議の採決は記名投票で行われ、自民、公明両党など賛成134票、民主、共産、社民、国民新党、新党日本など反対100票で可決された。
 通常国会では自民党から反対・棄権などの造反が30人に上ったが、今回、自民党の造反組のうち、亀井郁夫氏が棄権した以外は、全員が賛成に回った。通常国会では、賛成108票、反対125票だった。

選挙前の通常国会で提出して参院で否決された法案と全く同じものです。国民が全国どこででも郵政サービス、金融サービスを受けられる仕組みを保障するのかという問題をはじめ、通常国会で指摘された問題点は、何ら解決していません。むしろ、小泉首相、竹中担当相をはじめ、政府・与党は選挙で「民営化で税金の無駄遣いをやめさせる」「民営化すれば、現在払っていない法人税を納めるようになる」などと主張しましたが、独立採算制で運営されている郵政事業が民営化されても、税金の節約には全くならないこと、公共事業の無駄遣いの元凶は無駄遣いの事業計画にあり、郵貯・簡保資金は無関係なこと、現行の公社制度では、民営化後に支払う法人税額より多額の国庫納付金を払うよう義務付けられていることなどを隠していました

これらの問題点は遠からずうちに、現実の問題となって国民のうえに降りかかってくるでしょう。民営化の今後の推移を注視していきたいと思いますし、今からでも民営化は中止すべきだと思います。(シャレじゃないですよ)

それにしても、自民党「造反組」の態度は全く解せませんね。通常国会では法案に反対し、選挙でも小泉的手法を批判し、自民党公認の「刺客」候補と「対決」した「造反組」の方々でしたが、今回は、新党に行った方々を除けばほとんどが法案に賛成しました。これを世間では「変節」とか「公約違反」というと思いますが。

そもそも自民党・公明党に投票した人は小選挙区では半数未満でしかなく、小泉与党の「圧勝」は、ゆがんだ鏡に映った虚構の「多数」でしかないわけですが、それはさておいたとしても、議席のうえで自分たちが「少数」になったとしても、自らの公約・政策を投げ捨て、これと真逆の態度を取れば、選挙で訴えた政策・公約は無意味なものだったことになるのではないでしょうか。テレビのニュースでは、ある方が「政治家としての決断」と語っていましたが、国民に訴えた政策や公約は、政治家には「命」とも例えられるものではなかったのでしょうか。それを投げ捨てて賛成する「決断」なるものが、政治家として許されるのでしょうか。

同じことは「造反組」の方々に限りません。選挙中は、自民党本体の幹部が、武部幹事長を筆頭に、「サラリーマン増税はやらない」と訴えていたのですが、選挙後すぐに定率減税の廃止を打ち出しました。「これは国民全体にかかるので、『サラリーマン増税』ではありません」とのたまってた方がいましたが、全く許されない姿勢です。冗談じゃないっての。

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2005年10月10日 (月)

ひさびさ出席、資本論講座「再生産論①」

東京学習会議の『資本論』第2巻講座、昨日、ひさびさに出席してきました。なにせ、7月に仕事があって出られなくて、8月分(7月末に振り替え)、9月とも、やっぱり仕事で出られなくてと、都合3回連続で欠席ですよ、全12回のうち。しかも第1回はイントロだったし、最後の第12回は「現代的諸問題との関連」がテーマなので、文献自体についての講座は、3分の1(しかも大事なところで)出られなかったことになります。レジメはもらってるけど、やはり講義は直接聞かなきゃ(といいつつ、学生時代、講義に出ないで、テキストと借りたノートを見ながら、“独学”した科目がいくつかあったような気が……_| ̄|○)

さて、そんなやっている間に、内容は第3篇「社会的総資本の再生産と流通」(いわゆる再生産論)に入っていました。第1、第2篇では、個別資本(おおまかには「企業」と言い替えてもいいでしょう)の循環・回転運動を分析していましたが、第3篇では、それらがいくつも(それこそウン百万も)集まった社会全体の資本運動を総括しています。講師は都留文科大学の川上則道教授です。個人的には、マルクスの再生産論を現代日本の再生産構造の分析に適用した川上先生の著書『計量分析 現代日本の再生産構造』(大月書店、1991年)を学生時代に読んで、一度話を聞いてみたいと思っていたんですが、前述の事情で、川上先生の講義はすでに3回目。_| ̄|○_| ̄|○

社会は物質的財貨(資本主義社会では商品となります)の生産を欠いては、根本的に存続できません。現代では農林水産業、工業・製造業に比べ、いわゆる「第3次産業」(商業、いわゆる「サービス業」など)の比重がかなり高くなっていますが、ここで行われる“取引”活動も全て物質的財貨の生産が土台になっています(美容院を例に取ればハサミ、パーマの機械、洗髪や染色に使う薬品など)。ここで、“「サービス産業」の役割を軽視している”とか、“物質的生産信仰”だと本気で思っている方が時々おられますが、そういう考えは全くの誤解です。ちなみに、マルクス経済学者のなかでも、サービス産業が生産的労働(とりあえずは“価値を生産する労働”と思ってください)に含まれるかどうかは、意見が分かれています。講座の川上先生は、「価値を生産しない」という立場です。これについては先生の著書『「資本論」で読み解く現代経済のテーマ』(新日本出版社、2004年)をご覧ください。

この物質的財貨は、<消費手段>と、これを生産するための<生産手段>として生産されるものとの2種類に大別されますが、社会が存続していくためには、これらが生産・分配され、消費され、次の生産を継続して行える(これが再生産です)ことが必要になります。ここでは、年々同じ規模で再生産を行う「単純再生産」を見ていきます。剰余生産物⇒剰余価値は全て資本家が個人的に消費すると想定します。(剰余価値を追加資本に蓄積し、生産を拡大していく「拡大再生産」は次回に書きます)

これらの物質的財貨を生産する部門も、生産手段を生産する部門(マルクスはこれを「第Ⅰ部門」と呼びました)と、消費手段を生産する部門(同じく「第Ⅱ部門」)に大別されます(マルクスの時代と違って、現代では政府部門の比重が大きくなり、道路など公共財も多く生産されています。この部門の位置づけも現代的分析では重要ですが、ここでは捨象します)。この2大生産を概括して表にすると、下のようになります。(これが単純再生産の「再生産表式」です)

Ⅰ:4000c+1000v+1000m=6000
Ⅱ:2000c+ 500v+ 500m=3000

数字は生産された商品の価値(とりあえず価格と考えてもいい)額で、単位は任意です。数字の割合は『資本論』で例示されたものですから、現状分析で適用する場合などは当然別の数字になります。Ⅰ部門で見ると、6000の商品生産物があり、この価値で構成部分を見ると不変資本(原材料や労働手段)の価値が生産物に移転した分4000、新たに生産された価値のうち労働力価値分1000、剰余価値(産業・商業利潤や利子、地代に分配される)分1000となります。Ⅱ部門も同じです。

ここで、Ⅱ部門の労働者の賃金(表式で500v)は、消費手段の購入に支出されるので、Ⅱの資本家の手元にある商品(消費手段)を購入し、貨幣はⅡの資本家の手元に帰ってきて、次期の労働者の賃金となります。Ⅱ部門の剰余価値は、前述の通り、Ⅱ資本家が消費します。

同様に、Ⅰ部門の労働者の賃金(1000Ⅰv)と資本家の剰余価値(1000Ⅰm)も消費手段(Ⅱ部門の生産物)に支出しなければならず、それは、Ⅱ部門の生産物のうち、まだ残っている不変資本価値の移転分2000Ⅱcと交換しないといけません。その代わり、Ⅱ部門は同額の生産手段、つまりⅠ部門の1000v+1000mの価値が結晶したⅠの生産物を手に入れます。このⅠ(v+m)とⅡcの交換が、大変大事なのです。

Ⅰ部門の不変資本価値の移転分4000cは、生産手段という生産物で残っていますから、同じⅠ部門の資本家が相互に交換し合い、それぞれのところで補填されます。

いうまでもありませんが、ここまでにのべた交換は、資本主義社会(だけでなく商品生産社会)では当然、貨幣を媒介にして行われています。マルクスは『資本論』で、この貨幣がどのようにうんどうするかについて、かなり込み入った議論を展開していますが、私は、マルクスはあまり重要でない議論に迷い込んでしまっていると思います。

ここで補足です。不変資本のうち固定資本(労働手段)の補填についてです。これも生産物に価値を移転するのですが、そのし方は、原材料の場合と違って、何回かの生産過程で繰り返し、少しずつ価値を移転し、その補填は、労働手段が摩滅したあと、一挙に行われます。平たく言うと「減価償却」ですね。

積み立てられる部分は、いったん再生産の過程から退場した「外」で行われるので、この過程を上の表式でそのまま考えると、Ⅰ(v+m):Ⅱcの交換に不均等が生じてしまうということになるのですが、減価償却は通常、長期(例えば10年)にわたって貨幣で積み立てられ、期間が満了した時に、積立金から現物で補填するという形をとります。ある年の再生産を社会全体で見ると、固定資本価値は「現金積み立てのため退場する」部分と「現物で補填するため入場する」部分とが並存していることになりす。したがって、両者が相殺され、等号関係は変わらない、ということになるのです。

ただ、資本主義社会のように、生産が、それぞれの資本家(生産手段の所有者)によって勝手に、任意に営まれている社会では、この両者の均衡は偶然のことでしかありません。つまり、通常は不一致なわけで、このアンバランスも恐慌を引き起こす重要な要因となっているのです。

こんなところです( ´ー`)

次回(拡大再生産論)予定の11月は、当日が20年来の友達の結婚式なので、また出られないのか_| ̄|○と思っていたら、12月に延期になりました。助かった………。

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2005年10月 6日 (木)

石原知事の国連発言、都議会は「不問」に……

今日6日、都議会が閉会しました。例の暴言首長の例の暴言は、「不問」になってしまいました。

MSN-Mainichi INTERACTIVE 地域ニュース 6日「議会は不問に--知事『国連ばか発言』」

 都議会の自民、民主、公明の3会派は5日の議会運営委員会理事会で、都議の政務調査費のあり方について協議する場を会派間に設けることで一致した。(中略)
 一方、この日の理事会では、国連に関する石原慎太郎知事の発言問題について、共産が発言撤回と猛省を求める決議案を提案したが、自民、民主、公明の3会派が反対したため、提案を見送った。【猪飼順】

しんぶん赤旗6日付「石原都知事の国連憲章否定 自民・民主・公明が容認 共産党提出 猛省決議案葬る」

 東京都議会の議会運営委員会理事会は五日、石原慎太郎知事による国連憲章否定の暴言への対応について協議しました。日本共産党の吉田信夫理事は、石原知事に発言の撤回と猛省を求める決議案を提出しましたが、自民、民主、公明各党が反対し、六日の本会議には提出されないことになりました。
(中略) 吉田氏が理事会で決議案の趣旨を説明したのに対し、自民党は「考えが違う」と反対し、公明党も「当事者が抗議すればよい」などと反対。「知事の慎重な発言を求める」と議長に要請していた民主党は「発言の撤回を求めたのではない」と反対しました。生活者ネットワークは決議案に賛成する意向を表明しました。
 吉田氏は同日、記者会見し、「見過ごせない知事の発言を放置するようでは、議会の存在意義が問われることになる」とのべ、決議案に反対した各党を批判しました。

共産党と生活者ネットが、知事に発言の撤回を求める決議案に賛成したものの、自民、民主、公明3党が反対したわけですね。都議会では決議をあげる時は全会派一致で行うという慣例があるそうで、本会議に上程されないことになったわけです。

自民党と公明党は、「考えが違う」とか「当事者が抗議を」といって、知事の「国連憲章なんてまともに信じてるバカはいない」という発言を、平然と容認したわけですね。この2党が与党となっている政権は、国連の常任理事国入りを、東京都はオリンピックの招致をめざしているわけですが、こんな発言を容認していたら、常任理事国やら、東京オリンピックやらへの道はますます遠ざかるのではないですかね。

それから、よー分からんのは民主党の態度です。民主党は、都議会の議長に対し、「慎重な発言を知事に申し入れて」と要請しましたが、結局、自分たちの党としては、それ以上の行動には出ませんでした。聞いたところによると、民主党の幹事長さんは5日、記者会見で「あくまでも議会内のことですので、議長の判断にゆだねる」「知事に直接、批判的なことを言うより、議会人として議会の場での要望をしていくということで、議長にゆだねた」という旨のことを言ったようです。

でもこれ、要するに、自分で面と向かっては言えなかった、ってことじゃないの? 民主党は都議選の時は「石原知事には、いいものはアクセルを踏み、悪いものにはブレーキをかける」って言ってたじゃないですか! で、都議選に勝って、これからは「是々非々」で行くんじゃなかったのかしらん? こーゆー時にかけられないブレーキって、こーゆー問題でモノを申せない「是々非々」って、何なんでしょうね………。

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2005年10月 5日 (水)

コンパクトフラッシュ賛歌(というほどでもないわな…)

デジカメやPCなど、さまざまな場面でお世話になっている、メモリーカード。今一番、枚数が売れているのは、SDカードなんですって。へぇ~~。

NEWS@nifty:[市況]SD連合がシェア65%で圧勝、メモリーカード規格対決、買い得なのは?(BCN)

 まず、規格別販売枚数シェアではSDカードの圧勝だ。「SDメモリーカード」と「mini SDカード」の合計で実に64.9%。現在の日本で最も売れているメモリーカードはSDカードという結果になった。
 SD カードは、SanDisk、松下、東芝の3社が共同開発したメモリーカード規格。小型で薄く著作権保護機能もあり、デジカメや携帯オーディオをはじめとするさまざまな分野で対応製品が多い。大容量化が進むと同時に高速転送の製品なども増え、ムービーカメラの記憶媒体としても使われ始めている。miniSD カードはSDカードをさらに小型化したもの。その小ささを生かして携帯電話の外部メモリーとして多く使われている。また、カードアダプタを装着することで SDメモリーカードとして使用することができるため、「普段は携帯で、必要になったらデジカメで」などの使い方も可能だ。

で、2位はメモリースティックでシェアは14.4%、3位はxDピクチャーカードの11.2%………なんですって。私がデジカメ(ニコンD100)で使っているのはコンパクトフラッシュなんですが、こちらは4位でシェアは6.8%しかないそうです。意外。

機器の小型化が著しい昨今、今となっては大ぶりのサイズはかなりのハンディキャップになっているようだ。

………とのこと。まあ、確かに小型化している機器には大き過ぎるという点はありますけど、コンパクトフラッシュって厚くて丈夫で、ちょっと落としたくらいなら大丈夫と、私には大変使い勝手がいいんですよね。
だって、SDカードにしても、メモリースティックにしても、薄くて、何かの拍子にパキッ!と折れちゃいそうなんだもの。そう考えると、どうも安心できないんですが………。そう思いません? 私だけですかしらね?

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2005年10月 4日 (火)

04年度、不払い残業226億(共同通信)

労働者を残業させながら、残業代を払わない、いわゆる「サービス残業」というのが横行しています。昨年度、残業代が支払われた分だけでも、226億円にもなるんですね。

NEWS@nifty:04年度、不払い残業226億(共同通信)

 全国の労働基準監督署の是正指導で、2004年度に100万円以上の不払い残業代(割増賃金)を支払った企業は1437社で、支払総額は計約226億1000万円に上ったことが、30日、厚生労働省のまとめで分かった。前年度は1184社計239億円で、指導を受けた企業数は増えたが、金額はほぼ同水準だった。まとめによると、支払い対象となった労働者は約16万9000人で、1人当たりの平均支払額は約13万円。[2005年09月30日 17時25分]

「サービス残業」は労働基準法37条に違反する犯罪行為(6カ月以下の懲役か30万円以下の罰金=同法119条)で、事業主が責を問われます。ですので、会社員の方々(男性も女性も老いも若きも)、安心して請求しましょう^^

…と、ここまではいいのですが、実は、その裏で、とんでもない構想が出ているのをご存じでしょうか。それは、日本経団連が6月にまとめた「ホワイトカラーエグゼンプションに関する提言」(PDFファイル)で、これは要するに、ホワイトカラーについては、労働時間の規制を取り払うというものなんです。

提言でのべているのは、具体的には、①新商品等の研究開発、情報処理システムの分析設計など「現行の専門業務型裁量労働制の対象業務」に従事する人は、年収に関係なく全員②それ以外の「法令で定めた業務」か「裁量労働業務」に従事する人は、月給制で年収400万円以上――という人を労働時間の規制対象外にする、というものです。
こんなのが実際にやられたら、残業代どころか、ただでさえ欧米より長い総労働時間が、もっと大変なことになりますよ。過労で倒れる人、「過労死」させられる人も、今の水準じゃすまなくなるんじゃないでしょうか。経団連も、よーもまあ、こんなとんでもない「提言」を出すわなあ。

マルクスは『資本論』第1巻の第8章「労働日」で、資本家が労働者の(例えば1日分の)労働力を買った時、資本家ができるだけ長く働かせたいと求めること、労働者が労働時間を標準的な大きさに制限したいと求めることは、どちらも商品交換で確認された権利であり、そこから労働時間をめぐる資本家と労働者の闘争が現れる、そして標準労働日が両者の「内乱の産物」だと指摘しました。そのうえで、標準労働日(及びそれ以外の自分の自由時間)を守るためには、労働者が結集して、自分たちの生存を守る立法措置を勝ち取らなければならない、と強調しました。

こーゆー日本経団連の提言なんて、もう『資本論』の世界そのままですよ! これがどんな形で具体化されるかは、これからの問題ですが、その時に、それを拒んで「自分たちの時間」を守るのか、それとも易々と受け入れてしまうのか、問われることになると思います。

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