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2005年10月10日 (月)

ひさびさ出席、資本論講座「再生産論①」

東京学習会議の『資本論』第2巻講座、昨日、ひさびさに出席してきました。なにせ、7月に仕事があって出られなくて、8月分(7月末に振り替え)、9月とも、やっぱり仕事で出られなくてと、都合3回連続で欠席ですよ、全12回のうち。しかも第1回はイントロだったし、最後の第12回は「現代的諸問題との関連」がテーマなので、文献自体についての講座は、3分の1(しかも大事なところで)出られなかったことになります。レジメはもらってるけど、やはり講義は直接聞かなきゃ(といいつつ、学生時代、講義に出ないで、テキストと借りたノートを見ながら、“独学”した科目がいくつかあったような気が……_| ̄|○)

さて、そんなやっている間に、内容は第3篇「社会的総資本の再生産と流通」(いわゆる再生産論)に入っていました。第1、第2篇では、個別資本(おおまかには「企業」と言い替えてもいいでしょう)の循環・回転運動を分析していましたが、第3篇では、それらがいくつも(それこそウン百万も)集まった社会全体の資本運動を総括しています。講師は都留文科大学の川上則道教授です。個人的には、マルクスの再生産論を現代日本の再生産構造の分析に適用した川上先生の著書『計量分析 現代日本の再生産構造』(大月書店、1991年)を学生時代に読んで、一度話を聞いてみたいと思っていたんですが、前述の事情で、川上先生の講義はすでに3回目。_| ̄|○_| ̄|○

社会は物質的財貨(資本主義社会では商品となります)の生産を欠いては、根本的に存続できません。現代では農林水産業、工業・製造業に比べ、いわゆる「第3次産業」(商業、いわゆる「サービス業」など)の比重がかなり高くなっていますが、ここで行われる“取引”活動も全て物質的財貨の生産が土台になっています(美容院を例に取ればハサミ、パーマの機械、洗髪や染色に使う薬品など)。ここで、“「サービス産業」の役割を軽視している”とか、“物質的生産信仰”だと本気で思っている方が時々おられますが、そういう考えは全くの誤解です。ちなみに、マルクス経済学者のなかでも、サービス産業が生産的労働(とりあえずは“価値を生産する労働”と思ってください)に含まれるかどうかは、意見が分かれています。講座の川上先生は、「価値を生産しない」という立場です。これについては先生の著書『「資本論」で読み解く現代経済のテーマ』(新日本出版社、2004年)をご覧ください。

この物質的財貨は、<消費手段>と、これを生産するための<生産手段>として生産されるものとの2種類に大別されますが、社会が存続していくためには、これらが生産・分配され、消費され、次の生産を継続して行える(これが再生産です)ことが必要になります。ここでは、年々同じ規模で再生産を行う「単純再生産」を見ていきます。剰余生産物⇒剰余価値は全て資本家が個人的に消費すると想定します。(剰余価値を追加資本に蓄積し、生産を拡大していく「拡大再生産」は次回に書きます)

これらの物質的財貨を生産する部門も、生産手段を生産する部門(マルクスはこれを「第Ⅰ部門」と呼びました)と、消費手段を生産する部門(同じく「第Ⅱ部門」)に大別されます(マルクスの時代と違って、現代では政府部門の比重が大きくなり、道路など公共財も多く生産されています。この部門の位置づけも現代的分析では重要ですが、ここでは捨象します)。この2大生産を概括して表にすると、下のようになります。(これが単純再生産の「再生産表式」です)

Ⅰ:4000c+1000v+1000m=6000
Ⅱ:2000c+ 500v+ 500m=3000

数字は生産された商品の価値(とりあえず価格と考えてもいい)額で、単位は任意です。数字の割合は『資本論』で例示されたものですから、現状分析で適用する場合などは当然別の数字になります。Ⅰ部門で見ると、6000の商品生産物があり、この価値で構成部分を見ると不変資本(原材料や労働手段)の価値が生産物に移転した分4000、新たに生産された価値のうち労働力価値分1000、剰余価値(産業・商業利潤や利子、地代に分配される)分1000となります。Ⅱ部門も同じです。

ここで、Ⅱ部門の労働者の賃金(表式で500v)は、消費手段の購入に支出されるので、Ⅱの資本家の手元にある商品(消費手段)を購入し、貨幣はⅡの資本家の手元に帰ってきて、次期の労働者の賃金となります。Ⅱ部門の剰余価値は、前述の通り、Ⅱ資本家が消費します。

同様に、Ⅰ部門の労働者の賃金(1000Ⅰv)と資本家の剰余価値(1000Ⅰm)も消費手段(Ⅱ部門の生産物)に支出しなければならず、それは、Ⅱ部門の生産物のうち、まだ残っている不変資本価値の移転分2000Ⅱcと交換しないといけません。その代わり、Ⅱ部門は同額の生産手段、つまりⅠ部門の1000v+1000mの価値が結晶したⅠの生産物を手に入れます。このⅠ(v+m)とⅡcの交換が、大変大事なのです。

Ⅰ部門の不変資本価値の移転分4000cは、生産手段という生産物で残っていますから、同じⅠ部門の資本家が相互に交換し合い、それぞれのところで補填されます。

いうまでもありませんが、ここまでにのべた交換は、資本主義社会(だけでなく商品生産社会)では当然、貨幣を媒介にして行われています。マルクスは『資本論』で、この貨幣がどのようにうんどうするかについて、かなり込み入った議論を展開していますが、私は、マルクスはあまり重要でない議論に迷い込んでしまっていると思います。

ここで補足です。不変資本のうち固定資本(労働手段)の補填についてです。これも生産物に価値を移転するのですが、そのし方は、原材料の場合と違って、何回かの生産過程で繰り返し、少しずつ価値を移転し、その補填は、労働手段が摩滅したあと、一挙に行われます。平たく言うと「減価償却」ですね。

積み立てられる部分は、いったん再生産の過程から退場した「外」で行われるので、この過程を上の表式でそのまま考えると、Ⅰ(v+m):Ⅱcの交換に不均等が生じてしまうということになるのですが、減価償却は通常、長期(例えば10年)にわたって貨幣で積み立てられ、期間が満了した時に、積立金から現物で補填するという形をとります。ある年の再生産を社会全体で見ると、固定資本価値は「現金積み立てのため退場する」部分と「現物で補填するため入場する」部分とが並存していることになりす。したがって、両者が相殺され、等号関係は変わらない、ということになるのです。

ただ、資本主義社会のように、生産が、それぞれの資本家(生産手段の所有者)によって勝手に、任意に営まれている社会では、この両者の均衡は偶然のことでしかありません。つまり、通常は不一致なわけで、このアンバランスも恐慌を引き起こす重要な要因となっているのです。

こんなところです( ´ー`)

次回(拡大再生産論)予定の11月は、当日が20年来の友達の結婚式なので、また出られないのか_| ̄|○と思っていたら、12月に延期になりました。助かった………。

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コメント

学習会、うらやましいです。
ワタシのサイトに、関連すると思われる質問が寄せられました。
ネット上でのデータ商品をめぐる質問です。
川上教授の本で、ワタシもじっくり勉強してみようかと思ってます。
ネット産業が、はたしてサービス産業とくくれるのかどうか、という問題もふくめて、ちょっとやっかいです。
でも大事な課題ですわな。現代日本資本主義経済を考えるときには。
ワタシも、そろりそろり、がんばります。

投稿: Kyawa | 2005年10月10日 (月) 午後 06時29分

分からない。難しすぎて。

読んでも理解できなかったよ。

脳みそ膜の向こう側の言葉。

残念!

投稿: ばぶ | 2005年10月11日 (火) 午前 12時46分

あっ。

でも、気にしないでね。

補足説明とかせずに。

まったり進行して下さい。

投稿: ばぶ | 2005年10月11日 (火) 午前 12時52分

★ばぶさん、せっかく来ていただいたのに、すみませんね。なるべく分かりやすく書こうと努力はしているんですが………。
★kyawaさん、体調はいかがですか?
ネット産業、ソフトウエア産業の問題は、どう理解・把握するか、難しいですね。私の友人の研究者は以前、「ソフトウエアのレンタル」について論文を書いていましたが(かいつまんだ内容を聞いたことがあるんですが、酒の席だったし詳細は忘れました)、このあたりも難問題が複合してますね。私ももう少し頭を整理して勉強したいと思います。あ、東京学習会議は来年も講座をやりますよ。ちょっと遠いですが、もしご都合がつくならば、いかがでしょうか? 私自身はまだ決めてません。

投稿: かわうそ | 2005年10月12日 (水) 午前 12時01分

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