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2006年1月24日 (火)

「東京地検特捜部、堀江社長らを逮捕」(NIKKEI NET)

ホリエモンがついに逮捕されました。容疑は企業買収をめぐり虚偽情報を開示したという証券取引法違反(偽計取引と風説の流布)だそうです。

 ライブドアグループの証券取引法違反事件で、東京地検特捜部は23日、関連会社の企業買収を巡り虚偽情報を開示したなどとして、同社社長、堀江貴文容疑者(33)ら4人を証券取引法違反(偽計取引、風説の流布)容疑で逮捕した。特捜部は、株式交換目的で発行した自社株売却収入の不正な利益計上などについて、同容疑者が指示・了承していたとみて追及する方針。
 特捜部は、同日午後3時過ぎから東京都内で同容疑者の聴取を開始。容疑が固まったため、逮捕に踏み切った。証券市場を大きく揺るがす「ライブドア・ショック」を引き起こした事件は、プロ野球参入表明などで社会的注目を集めた最高経営責任者の刑事責任追及に発展した。
 ほかに逮捕されたのは、ナンバー2でライブドア取締役、宮内亮治(38)、ライブドアマーケティング社長兼ライブドア取締役、岡本文人(38)、同社執行役、中村長也(38)の3容疑者。 (19:42)

昨年夏の総選挙で、小泉首相がホリエモンに会って直々に立候補を口説き、武部幹事長、竹中平蔵経済財政担当相(現在は総務相)をはじめ、小泉政権・自民党幹部が次々と応援に訪れ、「小泉首相、ホリエモン、私がスクラムを組む」(竹中氏、8月31日付「朝日」)などと吠えたこと、さらに総選挙後も「党改革で知恵を貸してもらいたい」(武部幹事長、10月4日付「読売」)などと言っていたことは、すでに多くのメディアやブログでも指摘されている通りです。今になって「別問題」とか言ってんじゃないっての!

私が言いたいのは、選挙での応援だけでなく、ライブドアの“成功法則”をつくってきたのが、小泉的「構造改革」「規制緩和」路線だったということです。

ライブドアは株式を分割して高値で売り抜けることで資金を調達し、また株式交換を使い企業を買収する手法を繰り返して、急成長をとげてきました。株式交換は1999年の商法改定で導入され、株式分割は2001年の商法改定で「分割後の額面価格が5万円を下回ってはならない」という規制を撤廃したものです。もちろん、法の網をくぐったライブドアの行為が、法によって糾されるのは当然ですが、同時に、法による規制を緩和して、こうした脱法行為がはびこる土台をつくった自公与党なども責任を免れることはできないと思うのです。

株式交換の制度が導入された99年の商法改定のさい、自民党の渡辺喜美衆院議員は7月9日の衆院法務委員会で、法案作成に向けた「法務省、法制審議会の努力を多とする」と評価しました。同法改定は、自民、自由(後に民主に合流)、公明、民主、社民の各党が賛成し、反対したのは共産党だけでした。

01年の商法改定では、6月12日の衆院法務委員会で、自民党の田村憲久議員が「自己株式の取得及び保有規制を見直すとともに、株式の大きさに関する規制を廃止する等の措置を講ずるものであり、我が国企業の競争力の向上を図り、経済構造改革を実現する上で有益な施策となるものと考える」と主張し、自民、自由、公明の3党の賛成で可決しています。(反対は民主、共産、社民)

さらに指摘しておきたいことは、株式交換や株式分割などの条件を緩和する商法改定は、当時財界自身が強く要求していたということです。1999年8月5日の参院法務委員会で、橋本敦参院議員(当時、共産党)が商法の規制緩和と財界の要求との関連を質問したのに対し、答弁した法務省民事局長は、これをはっきり認めていました。

◆橋本議員「この法案の立法背景、立法事情は、今日の経済情勢のもとにおける財界からの強い要望が背景にあるということは……民事局長もそういう認識か」
◆法務省民事局長「御指摘のように、経団連を初め経済界から株式交換、株式移転の制度の早期導入を要望されていることは事実だ。昭和50年(75年)に商法の基本的な問題点を法務省で公開し、そこで順番に全体の見直しをしていて、そのなかで企業結合について問題を提起して、平成九年(97年)には企業の合併の見直しをして、今回は株式交換、株式移転を考えている。明年度は株式分割を考えており、計画的に商法を見直している、その一環という意味もある」
◆橋本議員「一環となる背景、事情として財界の強い要望があるという事実は否定できないでしょう」
◆民事局長「強い要望があることは事実だ」

また、01年6月12日の衆院法務委員会では、当時経団連の経済法規専門部会長を務めていた西川元啓・新日鉄常務が「経済界のニーズをいち早くキャッチし、議員立法で迅速な法整備に取り組んでいる諸先生方に、まずもって心より敬意と感謝の念を申し上げたい」としたうえで、株式分割の規制緩和で「個人投資家を株式市場に呼び込むことを容易にして、株式市場の活性化に資することが期待される」、「機動的に、投資家が投資しやすい単位で株式を市場で流通させる設計が可能となり、株式市場の一層の活性化が期待されることとなる」と高く評価していたのです。

実際、経団連は、株式分割などについての規制緩和を繰り返し「提言」や「意見書」にまとめていました。例として、2001年9月12日付の意見書(旧経団連のものですが)をあげておきます。

ホリエモンの逮捕を受けて、経団連の奥田会長などは、「(ライブドアの経団連加盟承認は)ミスった」などと言っていますが、それならば、自らが要求してきた、この野放しの「規制緩和」路線そのものを見直すべきではないでしょうか?

あ、あとそれから、今までさんざっぱらホリエモンを“構造改革の旗手”などと持ち上げて、事あるたびに、いや、何もなくても、彼を追っかけ回して、露出させてきた商業マスメディアが、先週からコロッと手のひらを返して、「追及」を始めていますが、自分たちのアフォさ加減については全くふれていません。そのもてはやしぶりは、ニュースの「追及」特集で流す彼の映像・発言の材料に事欠かないということに現れているわけですが、こーゆー無責任ぶりもよく見ておく必要がありますわね。

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