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2006年3月 1日 (水)

「送金メール」問題のオソマツと疑惑追及のあり方

民主党の永田寿康衆院議員が国会で持ち出した、自民党の武部幹事長と、ホリエモンとの関係をめぐる、いわゆる「送金メール問題」は、結局、民主党自身が「メールは本物ではない」と認め、野田佳彦国会対策委員長が辞任する展開となりました。さらに、これに対して、東京都議会の民主党議員団が、「これでは、国民の理解は到底得られない」「党は事態の深刻さを全く理解していない」として、真相究明や永田氏が「自ら出処進退を明らかにする」ことを、党本部の前原代表、鳩山幹事長に申し入れる(申し入れ文書はこちら)事態まで起きています。

まあ、前原代表も先週の国会「党首討論」の直前は「お楽しみを」などと大言壮語していたわけですから何ともオソマツな結末ですが、それよりも驚いたのは、永田氏が「メール」の「提供者」に会うこともないまま、「非常に信頼できる人が、信頼できるやり方で情報を取っている」(朝日新聞28日付「黒塗りの怪、『送金メール』なぜ信じた? 残る疑問」)と、その「情報」をまともに“裏取り”もしないで信用し、党の国対も結局、永田氏がこれについて質問することを認めた、ということでした。

「疑惑」情報はどこにでも流れているもので、埋もれている事実を天下に明らかにすることができれば、それこそ社会を揺るがす大問題にもなりますが、その「情報」がガセであれば、相手を何の根拠もなく名誉棄損したことになるわけで、振り上げたこぶしが加速度をつけて自分の頭の上に降ってくることになります。

ですから、この種の「情報」を入手した場合は、調査を徹底して行い、裏付けを取ることが当然、求められます。東京新聞2月25日付「ウラ情報の流通事情」は、永田氏と同じようにメールをめぐる質問として、米軍再編で防衛施設庁が“全国の自治体議会で反対意見書議決の動きをウオッチせよ”というメールを出した件を例に挙げ、質問で取り上げた共産党の井上哲士参院議員は、メールの差出人が本庁の課長で、あて先15人のうち12人が防衛庁幹部であることなどを調査した上で、質問した、と紹介しています。こちらの方は、後日、その防衛施設庁も、メール送信を事実だと認めました。(琉球新報の記事はこちら

こういうウラ情報の追及では大昔から今現在に至るまで、得意としているのは民主党よりも共産党ですね。共産党は独自の調査力を使って、この防衛施設庁のメール問題や、2002年には同年の流行語大賞にまでなった鈴木宗男衆院議員の「ムネオハウス」問題、内閣官房機密費の使い道の問題、KSD疑惑、さらにもう少し前でいえば、佐川急便事件や、核兵器の日本国内への持ち込みをめぐる日米両政府の密約などを暴き出しています。

朝日新聞の星浩編集委員は同紙2月28日付のコラム「政態拝見」で、その共産党の正森成二元衆院議員の著書『質問する人逃げる人』(清風堂書店、2002年)を紹介し、

「法人税制の質問のために膨大な資料を集め、大正時代の雑誌『会計』まで調べた。70年代半ばにはロッキード事件の調査で米国を訪れ、関係者から話を聞いた。証人喚問では『ピーナツ』や『ユニット』という言葉が、カネの授受を示す暗号だったことを立証した」

とのべています。

とにかく、これぐらい調査を徹底的にやってこそ、疑惑となっている問題の追及が説得力と破壊力を持ってできるわけです。永田氏と民主党は虚偽情報にもとづく「追及」で相手の名誉を棄損したことだけでなく、自公政権に“反攻”の機会を与えてしまった点でも責任は免れないでしょう。

それにしても自民党はこれを奇貨に、永田氏の国会「除名」云々などと大騒ぎしていますが、たとえ「メール」自体が虚偽だったとしても、「規制緩和」万能などという「構造改革」によって、ホリエモンの類が登場し「活躍」する舞台を作り上げ、彼を「弟です」「息子です」などと叫んでもてはやしたこと、耐震偽装事件のような事件が起きる土台を作ったこと、などなどの事実が消えたわけでも、追及の必要性が薄れたわけでもありません。

だいたい、「重大な情報だ! どうするんだ!」と声高に叫んでいた「情報」なるものが実はガセだったことが分かったという問題についていうなら、小泉政権は、「イラクの大量破壊兵器」情報をわめき立て、アメリカのイラク攻撃を支持したという、「見事」な先例を演じたわけですが、このことについての責任は、一体誰がどのように取ったのでしょうか??? これらのことはむしろさらに追及されなければならないと思うのです。

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