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2006年4月 3日 (月)

貨幣って何だ(その②)―光の速さで明日へ通流さ

東京学習会議の『資本論』講座、第3回(第3章「貨幣または商品流通」)の続きです(前回はこちら、また講座に参加しようと思ったワケについてはこちら)。貨幣の第3の機能「貨幣」は、金が鋳貨や紙幣などの代理品ではなく、それ自身で機能しなければならない機能をさし、(ⅰ)「蓄蔵貨幣」(ⅱ)「支払手段」(ⅲ)「世界貨幣」に大別されます。

(ⅰ)「蓄蔵貨幣」。前回紹介したW―G―W(商品A⇒貨幣⇒商品B)の運動で、販売が終了した時点で中断された場合、貨幣が蓄蔵されることになります。商品流通そのものが発展するとともに、商品から転化した貨幣(金)を固持しておく「必要と情熱」も発展し、商品の販売が次に商品を買うためにではなく、商品を貨幣に変えること自体を目的に行われるようになります。こうして貨幣は「蓄蔵貨幣」となります。貨幣はどんな商品とも交換できる「一般的等価物」として、富を一般的に代表するものとなりますが、量的には「1万円」とか「100万円」などと有限なため、貨幣を蓄蔵する欲求は際限ないものになっていきます。

「彼は、たくさん生産すればするほど、それだけたくさん売ることができる。だから、勤勉、節約、および貪欲が彼の主徳をなし、たくさん売って少ししか買わないことが、彼の経済学の総括をなす」(第3章第3節「貨幣」)

(ⅱ)「支払手段」。商品流通では、前回紹介したように「販売」と「購買」は時間的、また空間的に分離しますが、商品流通が発展すると、売り手から買い手への商品の譲渡と、買い手から売り手への貨幣の譲渡も、同様に分離しうるようになります。先に商品が譲渡され、後で貨幣が支払われるようになると、売り手は債権者に、買い手は債務者になります。ここでは、貨幣は「支払手段」となります。

これは、商品の買い手にとっては、現在、手元に貨幣がなくても、商品を購買することができるようになるわけで、さまざまな販売・購買が同時並行で、また連鎖的にできるようになり、商品流通も発達し、また、「振替」や「手形」などの手段も発達するようになります。ただし、商品流通が連鎖的に発達したなかで、この債務が解決できなくなる、つまり貨幣の支払いができなくなると、商品流通の連鎖が破たんし、貨幣恐慌として爆発します。

(ⅲ)「世界貨幣」。貨幣は国内の流通だけでなく、国外との流通に出ると、世界商業で諸商品と相対します。世界貨幣は一般的な支払手段、一般的な購買手段として、また、富が物質化したものとして機能します。

「国際収支の差額を決済するための、支払手段としての機能が、〔他の機能に〕優先する」(同上)

貨幣は、商品の流出入とともに、その逆方向で流入出します。

「金銀は、さまざまな国民的流通部面の間を絶えず往復する。これは、為替相場のやむことのない動揺の後を追う運動である」(同上)

さて、1920年代の世界恐慌を機に、各国で金兌換が停止されるようになり、70年代前半にアメリカがドルと金との兌換制度を停止したことで、金兌換制度は最終的に停止しました。現在は、不換紙幣を中心とした貨幣の供給・流通量を、通貨当局が政策的に管理する「管理通貨制度」に移行しています。このもとでは、貨幣供給量の政策的調節はどの程度、経済の調節機能として有効なのか、裏を返せば、この政策的調節はインフレを引き起こしうるわけですが(流通の必要量以上に貨幣が供給されるとインフレ、逆ならデフレになる)、これも含めて、政策的調節の限界はどこにあるのかという問題があります。

また、金は直接的には貨幣としての役割を失いましたが、間接的には役割を果たしているといえるのか、それはどのように果たしているのかも、重要な問題ですね。

さらに、貨幣の問題としては、信用貨幣、とくに現代の問題でいえばクレジットカードや電子マネーなどによる貨幣の「代理」機能をどう考えるかという問題もあります。まあ、クレジットカードや電子マネーが貨幣の「代理」を行っているといっても、銀行口座にある残高の範囲内でしかないのですが。ここで、カードでいくらでも購入できるかのようにカンチガイすると、その先には“カード地獄”が待っているというわけです。

そのほか、町おこしの手段の一つとして各地で行われている地域通貨をどう考えるかなどといった問題もありますね。こうした問題一つを考えていくにしても、マルクス『資本論』の、この章は一番の基礎となる重要な部分なのですね。

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