« ベネズエラ革命 | トップページ | 憲法を語るために憲法を学ぶ運動 »

2006年4月13日 (木)

民主党はどうなる?

民主党は、メール問題で前原誠司代表が辞任したのにともない、小沢一郎氏が新しい代表に就任しました。任期は全うすることができるかどうかは、知りませんが。

11日の新聞各紙で、その小沢氏に対するインタビューがいっせいに掲載されています。このなかで、小泉首相の靖国神社参拝をめぐって、「朝日」では「首相は参拝すべきでないと」との問いに「そうだ」と答え、また、「産経」記事では、靖国のA級戦犯合祀について、9日のNHK番組で「戦争を主導した大きな責任がある人たちは、靖国神社に本来祭られるべきではない」とのべたことを紹介しています。小沢氏は、靖国へのA級戦犯合祀を批判しつつ、「(戦没者をまつるという)本来の靖国の姿に戻したい」(「朝日」)、「天皇陛下も堂々と行ける靖国神社にすればいい」(「産経」、9日のNHK番組での発言)とのべていますが、靖国神社自体が日本の戦争を顕彰している事実についてはどう考えるのか、インタビューでは全く分かりませんでした。どこかで発言しないものでしょうか。

憲法については、小沢氏はずっと以前から一貫した改憲派であることは有名で、国連決議のもとでの武力行使も主張してきたので、いまさら改めてふれる必要もない感じではあります。が、今回のインタビューでは、一方で、「現実の政治は今の憲法の下でやっている。そちらをなおざりにして改正の話をやっても意味はない」(「読売」)とのべていたのには、面白いと思いました。そうであれば、安易に小泉政権与党の改憲論の土俵に乗らず、現行憲法を現実政治でどう活用されているか(あるいはむしろ、なおざりにされているか)、という検証をきちんとするべきではないかと思います。

しかし、インタビューでは、対中国の関係をどうするかという質問は各紙で見られましたが、イラク戦争への態度や「年次改革要望書」などで大問題となっているアメリカとの関係をどうするのか、という質問は全くありませんでした。インタビューする側に問題意識が全く欠落していることの反映ではないかと思いますが。

これについては、石原慎太郎東京都知事が、

「私は彼を評価しません。あの人ほどアメリカの言いなりになった人はいない。大した党にならないと思うね」「自民党を牛耳っていた金丸信元副総裁らを背景に自民党幹事長を務めたが、アメリカに言われて、造らなくていい公共工事をやって、湾岸戦争の時は、一瞬にして戦費支出を決めた。自民党で一番いい思いをしたのは、あのグループ(旧経世会)じゃないの」

と酷評したそうです(7日の定例記者会見で、毎日新聞の記事)が、この指摘は、その通りだと思います。まあ、小沢氏だけではなく、小泉首相だって、「ポスト小泉」の4氏だって、アメリカいいなりなのは、同じですが。

それにしても、党の「基本政策」や「対立軸」について、「本当は急いだ方がいい。だが、現実問題として国会がある」(「毎日」、「読売」)と発言したことが紹介されていますが、党をつくって何年にもなるのに、自民党との対立軸がいまだに定まらない野党第1党ってのは何なんですかねえ。だいたい代表交代の契機となったこの間の「メール」問題だって、元をたどれば、この自民党との対立軸を定められない民主党の姿勢にあるのではないでしょうか?

民主党は、自民党と「改革競争」をするといって、小泉内閣が成立した時は「応援する」とか、「民主党の方が小泉首相の理念に沿ったものだ」などと主張していました。「市場原理」「規制緩和」万能の「構造改革」推進、「日米同盟」優先という自民党と同じ土俵に乗って、「改革競争」を繰り広げる姿勢では、党の「独自性」なんか示せるはずがないですよ。

民主党の支持が伸びず、この路線が行き詰まると、一転して「追及」路線に切り替えたものの、もともと同じ土俵で「競争」してきただけに、「追及」しようにもその足場、立脚点がないんですから、「手法」や「手練手管」、あるいは「優先順位」で「追及」するしかなかったわけですね。自民党の政治を根本から切り替える方向を示せないため、“有効打”を繰り出せないあせりがあったところへ、「送金メール」の「ガセネタ」に飛びついて、破たんした、というのがこの間の民主党の迷走なのではないでしょうか。

果たして、“小沢民主党”がそれを打開できるでしょうか………。先のことは分かりませんが、難しいんじゃないかなあ………

最後にメディアの役割について一言。小沢氏は、「小泉劇場」を持ち上げたメディアの姿勢を「公正・中立の一線を越えた」(「朝日」)、「マスコミの自殺行為だ」(「読売」)と批判しています。(とはいえ、その小沢氏も、メディアが自民党を追いかけ回すのには、批判しましたが、民主党代表選で小沢氏と菅氏を追いかけ回したのには、ニンマリしているんでしょうけどね)

これに対して「朝日」の星浩編集委員は、

「本来ならメディアも改革の中身を点検しなければならないのだが、郵政総選挙に見られたように、その対応は十分とは言えなかった」、「『改革吟味』の視線はメディアにも向けられている」

とコメントしました。それはそうなのですが、「郵政民営化」をめぐる昨年の「小泉劇場」で、メディアがそのカラクリの「吟味」を何らまともにしないまま、小泉首相の後を追いかけ回したランチキ騒ぎは、小沢氏と菅氏が争った民主党代表選でも、自民党の4氏による「ポスト小泉」争いでも、全く同様に繰り返しています。こう発言した「朝日」を筆頭に、大手マスメディアのみなさん、もうそろそろ、レミングのような振る舞いはやめて、冷静に立ち止まって、慎重に検証する方向に踏み出すべきなんじゃございませんかしらね?

|

« ベネズエラ革命 | トップページ | 憲法を語るために憲法を学ぶ運動 »

コメント

かわうそさん

了解しました。
気にしないでくださいね。

後で整理させていただきます!

それにしても、一党だけではなく、政権を担える政党が育ってくれた方が、日本全体のためにはずなんですよね。

切磋琢磨していただきたいものです。

投稿: 「感動創造」 | 2006年4月15日 (土) 午後 04時27分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/73960/9576881

この記事へのトラックバック一覧です: 民主党はどうなる?:

» 小沢民主党を熱烈支持するぞ [とりあえず]
 前のエントリーで暗いことを書きすぎて、じゃあどうすればいいんだ、という話になりそうなので、今回はこれでいくことにする。  南米では次々反米政権が誕生し、それに対してベネズエラや中国など、資源や市場を持った国々が支援を始めている。南米が新たなEUになる方向性をもってくれば、アメリカの軍事的な選択肢は非常に小さいものになってくる。アメリカは戦争さえしなければ結構いい国になるだろう。 湾岸戦争をさせなければアメリカの軍需産業は総崩れになってしまったかもしれないのに、当時アメリカの言いなりに動いていたフ... [続きを読む]

受信: 2006年4月15日 (土) 午前 07時30分

» 大事なことを忘れていませんか? [BLOG版「ヘンリー・オーツの独り言」]
民主党の新しい代表が決まった。昨日のテレビはそのことで一日大騒ぎであった。ブログですら、多くがそのことを取り上げている。私は最近テレビ番組の多くは録画してから見ることにし [続きを読む]

受信: 2006年4月15日 (土) 午後 12時30分

» 私は素直に民主党の再出発に期待したい。  [とくらBlog]
 民主党の代表が小沢一郎さんに決まって、良かったのか悪かったのか、いろんな方のブログを読んでいるとわからなくなり、どうもすっきりしなかったのですが、昨日はお天気も良かったし、久しぶりにおしゃれしてお花見にでかけてしまいました。でも、その前に華氏451度さんのところのコメント欄に前原さんが倒れてくれて、前原さんに期待していた人たちには悪いけど、大喜びしてしまい、偽メール事件、永田さん、ありがとうって言ってしまいそうです。(笑)  やっと、昨年の選挙でのショックから民主党は立ち直れるか?と、どうしても... [続きを読む]

受信: 2006年4月15日 (土) 午後 01時10分

» 「政権をとったらできます。」と言われた小沢さんは「分祀」とは言われなかった。 [とくらBlog]
 書きかけにしていたことを書いておきます。もう、あっという間に木曜日になってしまいましたが、日曜日の朝、フジテレビ、NHK、テレビ朝日と続けて出演された小沢一郎さんの発言について、ピリカラ納豆・甘納豆 さんのところにお伺いして、以下のようにコメントしました。 小沢さんのお話が聞いてみたくて、テレビにはりついていましたが、終身雇用と年功序列の話は大変興味深かったです。それを鳥越さんもとりあげられていたので、なんだかうれしかったです。 でも、実際に小沢さんが話された内容をニュースにする時、ちょっと... [続きを読む]

受信: 2006年4月15日 (土) 午後 01時16分

» 【速報!】民主党の新党首は小沢氏!小沢さん!豪腕みせてくださいよ! [「感動創造カンパニー」城北の部屋!仕事も人生も感動だっ!]
決まった!小沢一郎さん! [続きを読む]

受信: 2006年4月15日 (土) 午後 04時07分

» 政権奪取を目指す小沢民主党のこれから!靖国問題も実に明快! [やぶにらみトーク]
 民主党の執行部人事も決まり、小沢新代表が政見を話し始めた。  世間とマスコミの目は小沢一遍倒で、自民党の影は薄くなってしまった。  滅亡の危機に瀕した民主党を立ち直らせることが出来、日本に二大政党の姿を再現できるのは小沢以外には居ないと言う勢いである。 ...... [続きを読む]

受信: 2006年4月15日 (土) 午後 07時43分

» 小沢さん、メディアの露出競争はやめようね [再出発日記]
朝日新聞が東大と共同研究をして「メディア露出政治力に」という記事を書いている。小泉政権のテレビ露出度と内閣支持率を調べ、そこにほぼ相関関係があることを明らかにしたのである。連動しなかったのは、04年の年金問題を追求されて「人生いろいろ」とごまかした時。自...... [続きを読む]

受信: 2006年4月16日 (日) 午後 10時39分

» 小沢一郎とは何ものなのだろう [再出発日記]
昨日の日記で、小沢民主党首には政策本位で小泉と対決して欲しい、と注文をつけた。しかし、私は彼の主導する政策には期待していないということをやはり付け加えておいたほうがいいだろうと思い、少しメモしておく。私が小沢を信用しないというか、警戒しているのは、彼が...... [続きを読む]

受信: 2006年4月16日 (日) 午後 10時40分

» 「ヒトラー」は「とってもすてき」な「当代一級の」「透徹した視座と直感」を持っているのか [tamyレポート]
 民主党の代表選で小沢一郎氏に大差で敗れた菅直人代表代行。一部マスコミでは、来春 [続きを読む]

受信: 2006年4月27日 (木) 午後 11時54分

« ベネズエラ革命 | トップページ | 憲法を語るために憲法を学ぶ運動 »