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2006年4月10日 (月)

いよいよ「資本」が登場です①

東京学習会議の『資本論』講座、9日は「第2篇 貨幣から資本への転化」です。これまでは商品の流通過程と、そこから生み出される貨幣が対象でしたが、今回からいよいよ資本が登場します。講師は駒沢大学教授の明石博行先生に代わりました。

商品と貨幣の流通を見ると、W(商品)―G(貨幣)―W(商品)、つまり「自分が所有する商品を売って、別の商品を買う」という運動とともに、G(貨幣)―W(商品)―G(貨幣)、つまり「自分が所有する貨幣で商品を買い、それをまた売って貨幣を得る」という運動が並存しています。前者の運動は、最初に自分が所有していた商品とは別の商品を得ることが目的なわけですが、後者の運動は、貨幣を得ることが目的の資本となります。後者はしかも、100万円の貨幣を100万円に変えても全く徒労でして、「もっぱら両極の量的な相違によって、その内容が与えられる」(第2篇第4章「貨幣から資本への転化」)ことになります。つまり、この運動の完全な姿はG―W―G’(G+⊿G)によって、ある増加した貨幣を得る運動ということになります。この増加分を剰余価値といい、この運動を担う人間が資本家です。

資本家の目的は、この剰余価値の獲得にあります。よく「お客様の笑顔を見るのが私の目的です」なんてことをおっしゃる資本家さん(ここでは大雑把に企業経営者と考えてもいいです)の発言を見かけますが、ここで問題になっているのは、個々の資本家(企業経営者)の頭の中ではなく、あくまでも「資本の運動の担い手としての資本家」という経済学上の概念の問題なんですね。つまり、いくら頭のなかで「お客様の笑顔が~~」と考えているとしても、資本(企業)としては、剰余価値(厳密には、剰余価値が転化した「利潤」ですが、ここでは剰余価値=利潤と考えます)を獲得できなければ意味がないわけですね。このG―W―G’は産業資本、商業資本に共通する「資本の一般的定式」です。

では、どうやったら剰余価値を得られるか、が次のテーマになります。ここまで議論が展開されていた商品流通の世界では、商品がその価値どおりに他の商品と、そして貨幣と交換される「等価交換」を前提としています。……それでは貨幣で商品を買って、それをまた売っても、同額の貨幣しか得られないじゃないか! さっきの話と矛盾しとるやんけ! ……と思われるでしょう。実際その通りなのです。

では、不等価交換、つまり、①商品の売り手が商品を価値以上に売れる場合、あるいは②商品の買い手が商品を価値以下で買える場合を想定してみましょう。①では、100万円の価値の商品を売って110万円で売れれば、その商品所有者は確かに価値の増殖に成功しました! パチパチパチ! しかし、買い手はどうでしょうか? 100万円の価値の商品を買うのに110万円も払わされたわけで、ずい分ぼったくられましたね。しかし、売り手と買い手を合わせた市場全体で見ると、1円も価値の増殖は起きていません。②も全く同様の結果になります。さあ、困った! ここで、あの有名な文章が続くわけです。

「したがって、資本は、流通から発生するわけにはいかないし、同じく、流通から発生しないわけにもいかない。資本は、流通のなかで発生しなければならないと同時に、流通のなかで発生してはならないのである」

「彼(資本家の“幼虫”である貨幣所有者)の蝶への成長は、流通部面の中で行われなければならず、しかも流通部面の中で行われてはならない。これが問題の条件である。“ここがロドスだ。ここで跳べ!”

この矛盾を解決するものはあるのか!? 実はあるのですが、もう長くなってしまったので、それはまた次回に。

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