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2006年6月22日 (木)

「ジャッパニーズ・ビジネスマーン」

東京学習会議『資本論』6月期講座「第8章 労働日」「第9章 剰余価値の率と総量」をめぐる話の続きです。

前回では、労働日(一日の労働時間。週あたりや月あたりの労働時間も全く同じです)が資本家と労働者との力関係で決まること、標準的な労働日が、両者の長い長いたたかいのなかで確立されてきたことを紹介しました。

では、現代日本では、労働日の実態はどうなっているでしょうか。この点については、このサイトでも以前書いたことがあるので、そちらをご覧いただければありがたいと思います。

労働基準法32条では、

①使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
②使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

と規定され、同37条では、それを超えた残業分には割増賃金を支払わなければならないと義務づけています。でも、それが十全には守られていないことは、「サービス残業」が横行していることを見れば、明らかです。「ていうか一目瞭然?」

さらに労働の現場では、長時間労働だけでなく、過密労働(これについては、『資本論』の後段の章で取り上げています)も重なり、過酷な実態となっていることは、新聞や雑誌でしばしば紹介されています。職場のメンタルヘルスの問題がクローズアップされて久しいですが、労働者が過労自殺に追い込まれる事件も残念ながら跡を絶たず、ご家族の方が労災認定を求めて裁判に立ち上がることもしばしばです。

これらの問題について具体的に考えるうえでは、

の2冊がオススメです。(森岡先生は「株主オンブズマン」としての活動が有名ですね)

マルクスと『資本論』について、ヨーロッパでは再評価する声が広がっていますが、日本ではワケシリ顔で「古い」とか「役割は終わった」などとのたまう方が、いまだにけっこう多いわけですが、そういう方々は、まず『資本論』を、とはいえイキナリ最初から読むのはとても大変ですから、少なくともこの章を読む必要があるのではないかと思うのです。

もちろん、この本自体は19世紀後半に書かれたものですから、その後の資本主義の発展を踏まえて考察すべき問題は当然多くあるわけですが、資本家の剰余価値を求める「渇望」と、それを実現するための貪欲さ、狡猾さは『資本論』の当時と全く変わっていないこと、その本質を見極めるためのカギ(少なくともその重要な一つ)は、依然としてこの『資本論』にあることがよく分かると思います。『資本論』のこの章は、その点を知るうえでも、格好の取っ掛かりになっていると思います。

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受信: 2006年6月22日 (木) 午前 11時02分

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受信: 2006年6月23日 (金) 午前 01時54分

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