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2007年1月17日 (水)

“ただ働き法案”、通常国会提出を断念

「一定年収以上」のホワイトカラーを労働時間規制の対象から外し、残業代も支払わずにすむようにする「ホワイトカラー・エグゼンプション」法案は、政府・与党も通常国会への提出を断念しました。まずは、導入反対の世論の勝利といえませう。

東京新聞を見ると、厚生労働省はだいぶ悔しがっているようです。

「国民の理解得られず 残業代ゼロ法案見送り」(東京新聞)

 「残業代が出ないという点が独り歩きした。休みを確実に取れるようにするなどのメリットが十分に伝わっていない」
 法案提出を断念するとの報道を受け、厚生労働省の担当者は嘆いた。同時に「国民や国会議員の理解が得られるよう努力したい」と述べ、あくまで法案の国会提出を目指す考えを強調した。

厚生労働省は、財界の意向のままに、「自由な働き方ができるようになる」とぶち上げましたが、実際にホワイトカラーで自分の裁量で自由な働き方ができる人がどれだけいるというのでしょうか? この報道では、家族を過労死で失った方のコメントも紹介していますが、この方のお連れ合いは最後の出張のさい、初めて「行きたくない」と漏らしながら、それでも結局断れなかったのだそうです。

 「全国過労死を考える家族の会」の犬飼洋子さん(50)=長野県松本市=は、疑問を投げかける。大手情報機器会社で働いていた夫敏彦さん(当時四十一歳)は二〇〇一年、出張先の東京でくも膜下出血で急死した。直前十カ月半で五カ国に延べ九回出張し、日数は計百八十三日に上った。最後の出張の際、初めて「行きたくない」と漏らした。しかし、出張を断れば左遷させられるかもしれない-。「だから断れなかったんです」
 システムエンジニアの長男を過労死で失った東京都の女性(73)は「過労で倒れても何時まで働いたとかの立証は今以上に困難になる。まるで過労死促進法です」と憤る。

職場で残業を求められ、断れなかった人、納期やノルマに追われて残業せざるを得ない人、「同僚より成果をあげないと賃金査定が下がってしまう」という人、多いんじゃないですか? 労働時間規制がなくなったら、エライことですよ。

朝日新聞によると、財界は、「名前が悪かった」という姿勢のようです。

asahi.com「残業代ゼロ法案、名前が悪かった 経済界が『敗因分析』」

 法案提出を見送ったのは名前が悪かったから――。一定条件の社員を労働時間規制から外す「ホワイトカラー・エグゼンプション」を巡り、導入を推進してきた経済界でそんな「敗因分析」が広まっている。「高度専門職年俸制」(経済同友会の北城恪太郎代表幹事)といった名称変更案も出てきた。政府内には機を改めて法案提出を探る動きもあり、労組側は「残業代がゼロになる本質をごまかすもの」(連合幹部)と反発している。

 17日に東京都内であった社会経済生産性本部の労使セミナーで、北城氏は「ホワイトカラーの仕事は時間ではなく成果ではかるべきだ。残業代がゼロになると言われているが、高度専門職年俸制といったほうがわかりやすい」と発言。議論を深め、将来的には導入する必要があるとした。

政府は、通常国会の提出を見送ったといっても、要するに参院選で争点にされてはかなわない、ということでしょう。「国民の理解が得られるよう努力したい」ということは、参院選が終わったら、ましてや自公与党が勝てば、「労政審議会も答申したし、国民の理解は得られた」とか何とかいって、名前を変えるか何かの“小細工”をろうしたりして法案を提出してくるのは火を見るよりも明らかです。「郵政民営化」一本で総選挙をやりながら、選挙が終わったら「国民に信を問うた」と称して教育基本法までもごり押ししたわけですから。民主党だって、連合から支援をもらっていることもあり、いまは法案を批判していますが、経団連など財界に献金を要請し続けている以上、献金ほしさにどうコロブか分かりませんからねえ。

ともかく、今度の通常国会で提出を見送ったからって、ゆめゆめ油断しちゃいられません。キツーく監視しなければ。

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コメント

かわうそさん、こんばんは。初めてコメントします。最近はめっきり職場で顔を会わすことがなくなってしまったので、どうしているかな~と思っていたのですが、ブログを読むと元気そう?なので安心しました。。

「ホワイトカラー・エグゼンプション」ですか。こういう舌をかみそうな名前はやめてほしいです…。友人とかと話しているときも「あの、ホワイトカラーえぐっ、なんとか!」って言っていたのが、やっと正式名称を覚えたころに、国会提出断念。うれしいけど、ちょっとさみしい…?なんてね。

各紙では、「残業代ゼロ法案」と呼んでいるところが多いのですが、今日付の「毎日新聞」(だったけ?かな?)では、「残業という概念をなくしてしまうもの」と説明していました。なーるほど!!
残業の概念そのものがなければ、どんなに長時間働いても残業にはならない。うーん、財界もうまいこと考えたものですねぇ。

それにしても参院選の票狙いが見え見えのこの与党の戦略。いつもながら「またかっ!!」ってあきれまくりです。はい。

投稿: わた☆てら | 2007年1月18日 (木) 午後 11時20分

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