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2007年1月28日 (日)

四角い頭をマルクスる?

Marxkgr …って何かどこかの進学塾の宣伝みたいですね。半月ほど前、いつもよく拝見させていただいているブログ「Internet Zone::WordPressでBlog生活」さんで紹介されていた本を見つけて、面白そうだったので、買って読んでいました。小暮太一著『マルクスる?』(マトマ商事)。タイトルの横には“世界一簡単なマルクス経済学の本”、帯には“3時間でマルクス経済学の基礎が身につく超入門本”というだけあって、会話調の文章で、なかなか手際よく(もちろん、かなり省略していますが)、まとめています。

この本は著者の小暮氏(何と1977年生まれ! 私より7歳も若い○| ̄|_)が『落ちこぼれでもわかるマクロ経済学の本』『~~ミクロ経済学の本』に続けて出版したものですが、面白いのは、「はじめに」で、

出版するのが最後になってしまいましたが、実はマルクス経済学編を一番最初に書きました。それは単純に、「一番面白かったから」。

と紹介していることです。

小暮氏はさらに、マルクス経済学が「経済学」としてではなく、「歴史」として(経済思想史上の、あるいは経済学史上の一こまとして、ということでしょうか)見られているようだ、としたうえで、こんなことものべています。

マルクス経済学は経済の原理、原則であるとぼくは考えています。なぜお金がなきゃいけないのか、なぜ商品は商品となりえるのか、資本家はどうやって利益を得ているのか、労働者の給料はどうやって決まっているのか、など。そのようなことが体系的に説明してあります。
確かに小難しい表記が多いですが、言っている事は資本主義経済、特に日本経済にはよく当てはまりますので、現実に置き換えて考えてみると意外と分かりやすいですよ。

さらに、小暮氏のブログを読むと、そこでは、

マクロやミクロは正直数学の操作のように思えて実感がわかない。
でもマルクス経済学は経済学の本質を書いているので頷ける部分がたくさんある

とものべています。

本編では、「商品と価値形態」「剰余価値の生産」「資本蓄積」などの章ごとに、まず冒頭の見開き2ページを使って、その章の概要を説明し、それから内容に入っていく、という形式で進んでいきます。で、例えば、商品の価値(ここで言っているのは、経済学の概念としての「価値」なのでして、「あの壷はいいものだ!」的な日常用語の「価値」とは違います←以前使ったネタを使うなということですかそうですか)の大きさを説明する時に、謎のアフロキャラを登場させて、

あ、そうか。価値の大きさは、どれだけ時間がかかったかによってきまるんだ。じゃあ、苦労して作ったものは価値が大きいし、ちゃちゃっと作れちゃうものは価値が小さいということだね。

あれ、でもそうすると、仕事が早く出来る人が作ったものは価値が小さいってことだよね………なんか変な感じがするな

などと、理解したことや疑問を語らせて、また説明を進めていくわけです。こんな調子で、『資本論』を読み始めた人が必ず引っかかる“ザセツの名所”、<価値形態論>はたった十数ページ、その次の<物神性>は何とたったの1ページで、カッ飛ばしていくんですよ。

でも、<商品を生産する労働の二重性>や、労働者が登場する条件である<二重の自由>、現代の「ワーキングプア」「格差社会」にもつながる<資本の蓄積と相対的過剰人口>も説明していますし、さらには<再生産表式>と2大生産部門の不均等な発展、<利潤率の傾向的低下の法則>や恐慌などについても、ちゃんと(省略しつつ)ふれていて、侮れない出来だと思います。

マルクスにふれたことがない方も、「古いんじゃないの?」と食わず嫌いな方も、“ものは試し”で、一度読んでみてはいかがでしょうか?

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コメント

こんにちは。マルクスる?を書いた木暮です。
本を読んでいただいてうれしいです!

ぼくは、マルクス経済学が一番面白いと感じながらも
本はあまり売れないと思ってました。
でも大手書店の担当の方からは「マクロ、ミクロより売れてるよ」
という話をいただき、予想外で驚いています。

ぼくはまだまだひよっこなので、
これからも皆さんと一緒に勉強していきたいと思います。

これからもよろしくお願いしますー

投稿: 木暮 | 2007年2月 3日 (土) 午前 08時04分

小暮さん、ようこそお越しくださいました。まさか著者ご本人がお見えになるとは! 恐縮です。m(__)m
マルクスがミクロ、マクロより売れているなんて、すごいですね~。本を紹介した知人でも、何人かが「買ったよ」と話しています。
最近、近代経済学について、輪郭や大本の考え方ぐらいはおさえておこうと思って、経済学説史の入門書を読み直しています。マクロ、ミクロの本も読ませていただこうと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: かわうそ | 2007年2月 3日 (土) 午前 11時50分

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 思うところがあって、今月から東京学習会議の資本論講座に参加している。一昨日28日が第一回目の講義があった。感想については、別途 書きたいと思う。できれば近いうちに。  その前に、『資本論』もしくはマルクス経済学に関連して、最近感じたことを書きたい。  マルクス経済学の講義がない大学、それも経済学部であっても、と言う状況が進んでいる。公務員試験などの参考書でも、マクロだミクロだは展開されていても、マルクス�... [続きを読む]

受信: 2007年2月 2日 (金) 午後 01時49分

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