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2007年6月27日 (水)

財界人、「赤旗」で憲法を語る

最近、まともに更新していません。その間にも身の回りや世間ではいろいろあって、一言すべき問題もあったわけですが、結果的にスルーしてしまっています。いやはやorz。

そんななかではありますが、経済同友会終身幹事品川正治さんが、日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」27日付で、憲法と「革新懇話会」運動について語っています。経済同友会というと、憲法改定への提言を出したりしたわけですが、品川さんは一財界人(プロフィールによると、日本興亜損保の会長や、同友会の副代表幹事を歴任されたそうです)として、戦争に行った体験もふまえて、憲法改定は絶対に許してはならないと力説されています。非常に面白く、かつ大事な発言だと思ったので、紹介しておきたいと思います。(共産党のHPには出てないのよね)

私も先日、都内で品川さんの講演を聞く機会があったのですが、憲法改定だけでなく、最近の自民党中心の政権が進めてきた「市場原理主義」や「小さな政府」に対しても、大変厳しい批判をしておられ、国民中心の経済を作っていくうえでも、こうした「市場原理主義」的方向は切り替えなければならないこと、財界の中に身を置く人も、そんな主張をしているのかと、面白く思ったものでした。

さて、その「赤旗」インタビューで、品川さんは、“政治の世界や経済界の反動化を見過ごしていいのか”という問題意識をのべたうえで、安倍首相の「戦後レジームからの脱却」というスローガンについて、「『戦後レジーム』を否定すれば、……戦後体制全部を否定することになります。『それは誤解だ』と安倍さんがいくら言っても、そういう危惧(きぐ)を世界に与えます」と指摘しています。

そして、憲法改定をめぐる状況を、

国民はもう二度と戦争をしないと望み、支配政党はそんな決意は一度もしたことがない。日本の戦後は、そういうねじれ現象が60年間続いてきました。ねじれの中で憲法9条2項はボロボロですが、国民は旗をおろしていません。それをもぎ取ろうというのが、今の9条改憲の問題です。
 日本の国民がこの旗をおろせば、「戦争は絶対にしない」「敵は持たない」という、21世紀にきわめて重要な意味を持つ理念が地球上から姿を消します。世界全体にとっても理念の喪失です。

とのべています。

憲法9条の改定の目的を、「アメリカとともにアメリカの戦争をたたかうということ」ときっぱりのべ、

日本は憲法9条がある以上、世界に「敵」はいない、紛争がいくらあっても戦争はしない国です。……
 21世紀は戦争と平和の問題で「アメリカを問う」という時代に入っています。しかも世界指摘に一番根本的な問いを発することができるのは、平和憲法を持っている日本なのです。その問いを捨てるほどもったいないことはありません。

と語っています。

品川さんはまた、先に紹介したように、経済界の反動化を指摘されたわけですが、そのなかでも、経済界にも変化が起きていることを強調されています。最近、経済同友会や大阪倶楽部、関西倶楽部などの財界団体で、憲法について講演されたそうで、その時のエピソードを紹介されています。

当日は、大きな企業や金融機関の代表者も含め大勢が参加したのですが、話の途中でだれ一人席を立つこともありませんでした。あとで寄せられた感想も「政府との間合いの取り方がおかしい」「憲法9条を変えるというが次のビジョンはどうするつもりなのか」「アメリカべったりではないか」など改憲批判のものばかりでした。

また、

各地の講演で寄せられる感想文、手紙は、「こんな人が」と思うような人が「9条は絶対守る」という決意を披瀝されている。また、講演のあと、一杯やったりすると、「こんな人がそこまで言うのか」という感想が出ます。大企業の社長さんです。

ということも紹介されて、「戦争を食い止めるために今こそ国民の出番です」と呼びかけておられます。ご本人は今年で83歳とのことで、これらの仕事が「最後の仕事」とおっしゃっていますが、健康に気をつけつつ、ますます語っていただきたいし、若い世代も語らねばなりませんね。

品川さんはまた、4月の東京都知事選で、吉田万三氏を推薦するとはっきり表明され、街角に張られたポスターや、週刊誌の誌面でも登場されていました。インタビューでは、そのことについてもふれておられます。

私は、ずっと無党派でやってきました。ただ、憲法9条に対する戦争体験から生まれた認識を、「人生の最後の座標軸」にという強い意識を持ってきました。だから、「憲法は嫌いだ」と平気で言う石原さんの憲法違反の言動と本気でたたかう姿勢を持つ人しか推す気はしなかった。石原さんを倒すということでは、「浅野さんを勝たせれば倒すことになるのではないか」という声もありました。しかし、最初から憲法の「け」の字も言わない人を推す気はさらさらありませんでした。
 無党派の問題が大きい中で、無党派の志を本当にくめる組織、これは民主党だとはどうしても思えません。それをはっきりと表に出してでも、“自分はこの道を歩みますよ”ということにしたのです。

当零細サイトでも、都知事選をめぐって一言二言した時には、コメントをいただきましたが(お返事してなくてすみません)、やはり「石原を倒す」と口では言っても、その中身、“大義”を持てない人、明確にできない人では、石原都政を本当に変えることにはならないと思います。品川さんのこの発言も、そのことをはっきり指摘していると思います。

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コメント

こんにちは、ごぶさたしております。
ご紹介の記事、私も大変注目しておりました。赤旗のHPにアップされていないのが残念でした。全文ブログにアップしたいと思っていましたがなかなか時間が取れずにいました。
すばらしい記事だと思います。
と共に品川氏がおっしゃるように財界の良識も徐々に面に出てきつつあるように思います。このような反動化が決して財界にとってもプラスにならないことを知っている財界人も少なくないはずです。

投稿: PPFV | 2007年6月29日 (金) 午後 08時37分

 かわうそさん、初めまして。

 PPFVさんにコメントを頂いて、この記事を知りました。TBさせて頂きます。

 品川さんのご発言はいつもいろんな事を考えさせられるのですが、このご発言は、革新懇の代表幹事に就任されたということで、なお一層感動的でした。

 今後もよろしくお願いします。

投稿: saru | 2007年6月30日 (土) 午前 01時24分

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