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2007年7月 4日 (水)

久間防衛相が原爆発言で辞任、小池氏が後継就任

久間防衛相がアメリカによる広島、長崎への原爆投下を「しょうがないなと思っている。米国をうらむつもりはない」と発言し、国内の各層から批判が起こりました。久間氏は当初、訂正を拒否していましたが、3日になって一転、辞任しました。後任は小池百合子氏だそうです。

「小池防衛相が正式就任=女性初、『使命と責任痛感』」(時事通信)

 新防衛相に内定していた前首相補佐官(国家安全保障問題担当)の小池百合子氏は4日午後、皇居での認証式を経て、正式に就任した。久間章生前防衛相が米国による原爆投下を「しょうがない」と発言した問題は、政府・与党にとって大きな打撃となったが、安倍晋三首相は12日公示の参院選に向け、態勢の立て直しを急ぐ。

しかし、更新するゆとりがない時に限って、大きいニュースがいろいろ出るなあ。情報ナントカ隊(「…統合思念体」ではありません)あたりが監視してるんじゃないでしょうねぇ? 「んなこたぁない」(ここはタモリ風に)と笑えない世の中が怖すぎ。

さて、その久間氏の発言ですが、各紙の発言を照らし合わせると、だいたいこういう発言だったようです。

(大戦)当時、ソ連は(日本に)いつ参戦するか着々と準備していた。米国はソ連が参戦まではしない(と考えていた)。ところが、日本がしぶとく、ソ連が(日本参戦に)出てくる可能性があった。(米国は)日本が負けると分かっているのに、あえて原子爆弾を広島と長崎に落とした。そこまでやったら日本も降参するだろう、そうしたらソ連の参戦をとめることができるということだった。
 (米国は)8月9日に(長崎に)原子爆弾を落としたが、9日にはソ連が満州その他に侵略を始めた。幸いに(戦争が)8月15日に終わったから、北海道は占領されずに済んだが、間違うと北海道までソ連に取られてしまう。その当時の日本は、取られても何もする方法もないから、私はその点は、原爆も落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったんだという頭の整理で今しょうがないなと思っている。
 それに対して米国をうらむつもりはない。勝ち戦と分かっているときに原爆まで使う必要があったのかどうかという思いは今でもしているが、国際情勢、戦後の占領状態などからすると、そういうことも選択としてはありうるのかなということも頭に入れながら、考えなければならない。

久間氏の発言に対して、安倍首相は当初、「米国の考え方について紹介したと承知している」として、問題視しない姿勢でしたが、久間氏は「私はその点では……あれで戦争が終わったんだという頭の整理で今しょうがないなと思っている」、また、「国際情勢、戦後の占領状態などからすると、そういうことも選択としてはありうるのかなということも頭に入れながら、考えなければならない」としているように、明らかに久間氏自身の認識としてのべていました。

そして、発言の内容は、「勝ち戦と分かっているときに原爆まで使う必要があったのかどうかという思いは今でもしている」といった部分はありますが、結論としては「しょうがない」、「選択としてはありうる」と容認するものでした。

原爆の投下がどんな状況であったにせよ、「選択」されてはならないものだったし、これからも「選択」させてはならないものであることは、今さらいうまでもないと思います(原爆については、こちらでもふれたことがあります)。ましてや久間氏は、人類で最初に核兵器が実戦で使用された国の、「防衛」を名目とした分野を主管する閣僚です。しかも、長崎県の出身で、長崎2区選出の衆院議員です。どんな状況でも、こんな言葉を“選択”してはならない立場であり、辞任は当然のものだったと思います。

(なお、私の知人で、「発言をことさら騒いだ報道の方が問題だったのではないか」という人がいました。しかし、上にひいた久間氏の発言全体を見れば、結論として原爆投下を容認するものであったし、だからこそ久間氏の地元中の地元である長崎の市長や広島の市長、被爆者の団体が久間氏に抗議したのではないかと、私は思います。むしろ、この発言を問題視しないメディアがあったならば、それは日本でジャーナリズムを掲げる資格があるのでしょうか)

しかも、久間氏は辞任しましたが、この発言について、「しょうがないという言葉を原爆投下と結びつけて解釈された不用意な発言だった」とのべ、辞任の理由を「選挙への影響を配慮した」と語りました。これは、本来は「結びつ」く発言ではなかったんだとすることで、「結びつけて解釈」した側に責任を転嫁し、自分はただ“隙をつくった”ことが不用意だったという態度です。発言を本当に反省したのかどうかを疑わせる態度だと思います。

また、後任には小池百合子・首相補佐官が就任しましたが、この方は、2003年に毎日新聞が行ったアンケートで、日本の核武装について「国際情勢によっては検討すべきだ」と回答したそうです。こういう人が、果たして被爆国の、「防衛」担当閣僚に、しかも、核兵器をめぐる発言で辞任した人物の後任にふさわしいか。とてもそうはいえないでしょう。

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コメント

ショウガナイ人の後にまたショウガナイ人が。

投稿: まなぶ | 2007年7月 6日 (金) 午前 12時29分

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久間防衛大臣が辞任しました。当然でしょう。だが、辞任ですから、野党の罷免要求にこれでは応えたことになりません。正確にしておかなければならないのは、安倍首相は久間暴言での責任をとっていないということです。首相は自らの任命責任を引き受けたことにならないのです。首相は「私の責任」ということをこれまでも度々語っていますが、一度も明確な責任の取り方を国民に示してこなかった。すでに佐田、本間、そして松岡氏の自殺と、閣僚や諮問機関トップの交代が繰り返されました。その都度、安倍首相は自らの責任について大なり小なり発... [続きを読む]

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» <久間防衛相辞任>原爆投下「しょうがない」発言で引責 [花のニッパチ、心のままに?]
<久間防衛相辞任>原爆投下「しょうがない」発言で引責 7月3日13時22分配信 毎日新聞 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070703-00000050-mai-pol  久間章生防衛相は3日午後、首相官邸を訪れて安倍晋三首相と会談し、米国による広島、長崎への原爆投下を「しょうが...... [続きを読む]

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