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2007年8月 1日 (水)

参院選で自民党が歴史的な大敗

29日に投票が行われた参院選で、自民党が改選64議席に対して当選が37議席にとどまりました。自民党は非改選議席を合わせても半数を大きく割り込んだだけでなく、60議席を獲得した民主党に第1党の座を奪われるという、歴史的な大敗北を喫しました。

政党間の力関係を直接的に表す比例代表での得票率を見ると(数字は、今回←05年衆院←04年参院です)、

自民党 28.1%←38.2%←30.0%
公明党 13.2%←13.3%←15.4%
民主党 39.5%←31.0%←37.8%
共産党  7.5%← 7.3%← 7.8%
社民党  4.5%← 5.5%← 5.3%
新党日本 3.0%← 2.4%←未結成
国民新党 2.2%← 1.7%←未結成

となりました。

安倍政権は昨年秋に発足して以来、相次ぐ閣僚の事務所費問題など「政治とカネ」をめぐる問題や暴言・失言、年金問題、6月の住民税増税と選挙後の消費税増税の計画をはじめさまざまな問題が露呈していました。また、小泉政権が進めた「聖域なき構造改革」という名の市場原理主義的な路線による社会的な格差と貧困の拡大も明らかになっていました。

今回の自民党・公明党の歴史的な大敗は、これらに対する国民の審判となったのは確かでしょう。

では、これまでの自民党・公明党が進めた政治に代わる新しい方向として、どのような方向をめざしていくのか。それは、まだ明確にはなっていないように感じます。そして、今回大躍進した民主党が新しい政治の方向を示せるのかどうか、言い方を変えれば、その新しい方向の担い手たりうるのかどうかも、まだ分からないように思います。

というのは、民主党は選挙が目前に迫るまで、自民党・公明党が進めてきた「構造改革」路線を切り替える明確な方向を示していないだけでなく、「構造改革」路線に沿った立場を進んでいたからです。例えば、この零細ブログでも何度か指摘してきましたが、民主党は90年代、社会的格差と貧困の拡大の大きな要因となってきた労働法制の規制緩和(非正規雇用の拡大)に賛成し、その一方で、法人税減税も支持してきました。また、小泉政権が発足した時、「改革を競い合う」として、小泉首相にエールを送ってさえいました。そして、「構造改革」路線の“発信元”である財界に、献金を要請してきました。

さらに、教育基本法の改定をめぐっては、自民党と同様に「愛国心」教育の規定を盛り込んだ「対案」を示し、憲法改定問題では、条件つきとはいえ、武力行使に道を開く憲法改定案をまとめていました。

こうした方向では、自民党と何ら変わるところはなかったわけです。今回、民主党は、「国民の生活が第一」というコピーを押し出しました。新しい政治をめざすのなら、政権の顔ぶれだけでなく、政策的にどのような転換の方向(個別政策ではなく、大本の考え方)を打ち出すのかが問われますし、以前の路線にどういう態度を取るのかも問われることにもなります。

本当に「国民の生活が第一」という立場を貫こうとするのなら、「構造改革」路線からの決別が求められるはずです。そこを曖昧3センチそりゃぷにってことかい、にしたままでは、新しい路線を示すことはできないでしょうし、早晩国民から見放され、チョーシこいてギョクサイッということになるでしょう。

民主党が今後、そういう方向に転換していくのか、いけるのか、引き続いて注視していく必要があると思います。

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コメント

書き直し乙でつ。

♪やってみな!新規に狙っちゃうのは一郎の挑戦
 政党を着がえても=ねおりべ

 みたいな?

投稿: kiddy | 2007年8月 3日 (金) 午後 07時19分

TBありがとうございます。
そうですよね。しっかり監視していきましょう。

投稿: ニッパチ | 2007年8月 3日 (金) 午後 09時27分

 トラックバックありがとうございます。私も今回の選挙で審判を受けたのは、小泉内閣から続いてきた構造改革路線だと思っています。「痛みに耐えれば光が見えてくる」なんてウソだということが国民の共通認識になった、と。小選挙区制、強固な組織票を持つ党との連立など、自民党が「これで国会での多数は安泰」と思った仕掛けがどれも機能しなくなってきました。「4割の得票で8割の議席」どころか3割切ったんですものね。
 民主が多数で改憲は防げるのか、油断はできませんが、面白い時代の始まりかもしれません。

投稿: yasuko_kanda | 2007年8月 3日 (金) 午後 10時49分

まあ最近の格差とか貧困といったキーフレーズは、一種の流行にもなっていますが、どうも現状は違いますね~例えば親兄弟でも、こんなことをみんな話したりしますか?クラス会とかでも。
あらためていうのも嫌なんですけど、やはり大抵の人たちは、残業とか休日返上で働いているのが普通だと信じているし、それを変えよう!なんて思わないのです。企業社会こそが唯一の指針なんです。同化してしまえば、もうそれ以外ことは関心がないばかりか膨れ上がった自己顕示欲と冷淡な態度で、いわゆるニートフリーターはもちろんのこと、ワーキングプアなんてものはヘタレだと罵倒するのですから。
要は、果てしのない競争至上主義と選別差別と内部争いだけがとりあえずの真実、なのかも知れませんね。とまあ長々しいウザいカキコご免なさいね~。

投稿: koniko_u | 2007年8月15日 (水) 午後 05時24分

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