« 「税の議論」といえば消費税の増税ばかりという思考停止 | トップページ | ♪みっくみくにし~てやられ~~ »

2007年10月 6日 (土)

賃金不払いの「サービス残業」、是正の指導は過去最多(NIKKEI NET)

本来の就業時間外に労働させながらその分の賃金を払わない「サービス残業」、労基署から是正指導を受けた企業が昨年度は過去最多となったそうです。

「サービス残業改善せず 是正指導最多の1679社」(NIKKEI NET)

 サービス残業で労働基準監督署から是正指導を受け、2006年度に未払い残業代を100万円以上支払った企業が、前年度比約1割増の1679社で過去最多となったことが5日、厚生労働省のまとめで分かった。未払い残業代の総額は約227億1400万円で、前年度より約5億8000万円減った。
 厚労省監督課は「景気回復で仕事が増えるなか、企業に労働時間を管理する意識が十分でないようだ。残業代未払い問題の改善は進んでいない」と話している。

厚生労働省の発表資料はこちら

調査結果の発表によると、厚労省は、

(「サービス残業」の)解消には、事業場における賃金不払残業の実態を知る立場にある労使による主体的な取組が必要であることから、平成15年5月には「賃金不払残業総合対策要綱」及び「賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針」を策定して、その解消のために講ずべき事項を示し、主体的な取組を強く促しているところである。
 今後とも、重点的な監督指導の実施や本年11月に「過重労働・賃金不払残業解消キャンペーン月間」を実施することなどにより、「賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針」の周知等に努め、賃金不払残業の解消を図ることとしている。

のだそうです。また、このなかでふれている指針では、使用者に対し「適正に労働時間を管理する」こと、労働組合に対し、本社・事業場を問わず「企業全体としてチェック機能を発揮して主体的に賃金不払残業を解消する」ための努力を求めています。

そのため、労働時間把握の基準の順守、経営トップ自らによる決意表明や社内巡視をはじめとした実態の把握など職場風土の改革とともに、労働時間の管理システムやチェック体制の確立が必要だとして、例えば①コンピューターシステムの入力など客観的な記録の管理②「サービス残業」を生み出す業務体制の見直し③人事考課に「サービス残業」是正の観点を盛り込む④チェック体制の確立――など、かなり具体的な提起を行っています。

ところが、実際には、冒頭の記事の通り、「サービス残業」を是正するよう指導を受けた企業が、調査開始から最高を記録しただけでなく、現在も繰り返し発覚しています。クロネコヤマトなどは、先月23日に大阪で発覚したと思ったら、それから1週間もたたないうちに、今度は徳島で発覚しました。

「ヤマト運輸でサービス残業 大阪の労基署が是正勧告」(中国新聞=共同通信)

 宅配便大手のヤマト運輸(東京)の大阪市内にある集配センターなど二カ所が、運転手に「サービス残業」をさせたとして大阪南労働基準監督署から労働基準法違反で是正勧告を受けていたことが二十三日、分かった。
 同社によると、集配センターなどは同労基署の立ち入り調査を受け、賃金未払いを指摘された。運転手の勤務時間は、集配業務で使用する携帯端末の電源を入れている時間としていたが、実際の勤務時間より短いケースがあったとみられる。

「運転手のサービス残業、ヤマト運輸に是正勧告」(朝日新聞)

 宅配便大手「ヤマト運輸」(本社・東京都)が集配業務をする運転手にサービス残業をさせていたとして、淀川労働基準監督署(大阪市)と徳島労働基準監督署(徳島市)から労働基準法違反(賃金未払い)で是正勧告を受けていたことがわかった。同社のサービス残業をめぐっては、今年7月、大阪市内の集配センターでも同様の事例が発覚し、大阪南労働基準監督署(大阪市)から是正勧告を受けている。こうした事態を踏まえ、同社は10月末をめどに、全国の集配センター6087カ所について実態調査する。
 ヤマト運輸によると、淀川、徳島両労基署がいずれも同社の従業員からの申告をきっかけに、7~8月、それぞれ大阪府豊中市と徳島市の集配センターに立ち入り調査した際、集配業務に従事する運転手各1人が勤務時間外や休憩時にサービス残業をしていたことが判明したという。両労基署が同社と集配センターを管轄するエリア支店長に対し、未払い賃金を支払うよう勧告した。
 ヤマト運輸広報課は「会社として(サービス残業の)指示はしていないが、各支社に法令順守の徹底を通知する」としている。

「指示はしていない」としていますが、労働者が「自主的」にやったというのでしょうか。これだけ各地でサービス残業が発覚したということは、明示的でないにしても、何らかの指示があったとみるのが自然だと思います。実態調査の上で「サービス残業」を根絶する措置を取るべきでしょう。

以前もふれたことがありますが、「サービス残業」は労働基準法37条に違反する行為です。違反すれば事業主は同法119条により、6カ月以下の懲役か30万円以下の罰金に問われます。「サービス残業」を根絶するためには、この罰則を思い切って引き上げることもすべきではないでしょうか。ましてや、労働時間の規制を撤廃することなど論外です。

|

« 「税の議論」といえば消費税の増税ばかりという思考停止 | トップページ | ♪みっくみくにし~てやられ~~ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/73960/16778553

この記事へのトラックバック一覧です: 賃金不払いの「サービス残業」、是正の指導は過去最多(NIKKEI NET):

» 「みなし労働制」という残業代未払に是正勧告 [エコノミスト*練習ちょう]
 大手旅行会社「阪神交通」の子会社で働く、「派遣旅行添乗員」(ツアーコンダクター [続きを読む]

受信: 2007年10月23日 (火) 午前 10時11分

« 「税の議論」といえば消費税の増税ばかりという思考停止 | トップページ | ♪みっくみくにし~てやられ~~ »